2025/08/31
防災・危機管理ニュース
防災への意識などに関する日本赤十字社(東京都港区)のアンケートで、25%超が災害時にフェイクニュースやデマなどに接した経験があると回答したことが31日、分かった。日赤が9月1日の「防災の日」を前に発表した。担当者は「災害時には情報の正しさをしっかり判断し、適切に活用してほしい」と呼び掛けている。
調査は7月18~24日、北海道や東京都、福岡県などに住む10代~60代以上の男女1200人を対象に実施。インターネットを通じて回答を得た。
災害発生時にフェイクニュースなどの虚偽情報に接した経験の有無を聞くと、25.5%が「ある」と回答。年代別では、10代が最多の41.5%で、20代(31.0%)、30代(29.5%)と若い世代で目立った。
接したことがあると答えた人に、どんな行動を取ったかを複数回答で尋ねた結果、「信頼性について調べたり、ファクトチェックしたりした」が最多の45.4%だった。「SNSなどで拡散してしまった」は8.2%、「虚偽情報に基づき行動してしまった」は4.9%で、「何もしなかった」は42.8%に上った。
9月1日の「防災の日」について、「知っている」と答えた人は全体の47.4%と半数に迫った。ただ地域の防災訓練などに参加した経験を聞くと、「一度も参加したことがない」が74.3%を占めた。
日赤防災業務課の山地智仁さんは「情報量が増える中でその正しさをしっかり判断する必要がある」と指摘。「セミナーなどの啓発活動を通じ、防災意識向上や行動の変化につなげていきたい」と話している。 (了)
(ニュース提供:時事通信 2025/08/31-14:16)

(ニュース提供元:時事通信社)
防災・危機管理ニュースの他の記事
- 南海トラフ想定、災害対応を確認=「防災の日」で訓練―政府
- カセットボンベ、使用期限の確認を=災害時に有用でも経年劣化で事故―「防災の日」、誤使用にも注意・NITE
- 名古屋で40.0度=今夏40度以上、延べ30地点―気象庁
- ウクライナ侵攻「継続」=交渉中も手緩めず―ロシア軍
- 災害時デマ、25%超「接した」=「情報判断し、適切活用を」―日赤
おすすめ記事
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/08/26
-
-
ゲリラ雷雨の捕捉率9割 民間気象会社の実力
突発的・局地的な大雨、いわゆる「ゲリラ雷雨」は今シーズン、全国で約7万8000 回発生、8月中旬がピーク。民間気象会社のウェザーニューズが7月に発表した中期予想です。同社予報センターは今年も、専任チームを編成してゲリラ雷雨をリアルタイムに観測中。予測精度はいまどこまで来ているのかを聞きました。
2025/08/24
-
スギヨ、顧客の信頼を重視し代替生産せず
2024年1月に発生した能登半島地震により、大きな被害を受けた水産練製品メーカーの株式会社スギヨ(本社:石川県七尾市)。その再建を支えたのは、同社の商品を心から愛する消費者の存在だった。全国に複数の工場があり、多くの商品について代替生産に踏み切る一方、主力商品の1つ「ビタミンちくわ」に関しては「能登で生産している」という顧客の期待を重視し、あえて現地工場の再開を待つという異例の判断を下した。結果として、消費者からの強い支持を受け、ビタミンちくわは過去最高近い売り上げを記録している。一方、BCPでは大規模な地震などが想定されていないなどの課題も明らかになった。同社では今、BCPの立て直しを進めている。
2025/08/24
-
-
-
-
ゲリラ豪雨を30分前に捕捉 万博会場で実証実験
「ゲリラ豪雨」は不確実性の高い気象現象の代表格。これを正確に捕捉しようという試みが現在、大阪・関西万博の会場で行われています。情報通信研究機構(NICT)、理化学研究所、大阪大学、防災科学技術研究所、Preferred Networks、エムティーアイの6者連携による実証実験。予測システムの仕組みと開発の経緯、実証実験の概要を聞きました。
2025/08/20
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方