2025/09/19
防災・危機管理ニュース
 【北京時事】中国・深センで日本人男児が刺殺された事件から1年。事件は詳細が明らかにされないまま幕引きが図られたが、背景には反日感情があるとの見方は根強い。習近平政権は「戦勝80年」で反日宣伝を強めており、在留邦人が標的となるリスクは高まる一方だ。
 事件後、日本政府は中国本土にある11の日本人学校の安全対策を強化。送迎バスには警備員が同乗するようになった。日本大使館は、子連れでの外出時は特に周囲に注意するよう繰り返し呼び掛け、日系企業では、家族帯同での赴任を避ける動きが広がっている。
 在留邦人が緊張を強いられる一方、習政権は今年を「抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利80周年」と位置付け、「日本による侵略行為」を宣伝するキャンペーンを強化している。
 北京市郊外の盧溝橋にある中国人民抗日戦争記念館では、7月から企画展を開催。旧日本軍の戦争中の行為に焦点を当てたコーナーでは、見学者から「学校でも習ったが日本はやはり良くない」(中国人の小3男児)といった感想が聞かれた。
 戦争関連の映画公開も相次ぐ。南京事件を題材にした作品「南京写真館」は、今夏の映画の中で最大のヒットを記録。感想を書き込むサイトには「国辱を忘れるな」といった投稿があふれる。18日には、旧日本軍の関東軍防疫給水部(731部隊)を描いた作品「731」も封切りとなった。
 こうした風潮を反映し、日中の往来も一部中止に追い込まれている。日本政府主催で戦没者遺族らが8月中旬に予定していた中国東北部訪問は、「諸般の事情」(厚生労働省)で直前に中止に。「社会全体が日本との関係を前進させる雰囲気ではなくなっている」(日中関係筋)状況だ。
 中国では、深センの事件後、無差別殺傷事件が相次いだ。長引く景気低迷による生活苦などが要因とされる。「社会に不満を募らせる人々が反日宣伝に触発され、いつ日本人に矛先を向けてもおかしくない」。ある外交関係者はそう嘆息した。 
〔写真説明〕中国人民抗日戦争記念館で開かれている「戦勝80周年」の企画展=8月27日、北京
〔写真説明〕中国人民抗日戦争記念館で開かれている「戦勝80周年」の企画展=8月27日、北京
(ニュース提供元:時事通信社)


防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
- 
            
              
              中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/11/04
 - 
            
              
               - 
            
              
               - 
            
              
               - 
            
              
               - 
            
              
               - 
            
              
               - 
            
              
              月刊BCPリーダーズ2025年上半期事例集【永久保存版】
リスク対策.comは「月刊BCPリーダーズダイジェスト2025年上半期事例集」を発行しました。防災・BCP、リスクマネジメントに取り組む12社の事例を紹介しています。危機管理の実践イメージをつかむため、また昨今のリスク対策の動向をつかむための情報源としてお役立てください。
2025/10/24
 - 
            
              
               - 
            
              
              「防災といえば応用地質」。リスクを可視化し災害に強い社会に貢献
地盤調査最大手の応用地質は、創業以来のミッションに位置付けてきた自然災害の軽減に向けてビジネス領域を拡大。保有するデータと専門知見にデジタル技術を組み合わせ、災害リスクを可視化して防災・BCPのあらゆる領域・フェーズをサポートします。天野洋文社長に今後の事業戦略を聞きました。
2025/10/20
 







          
          
          
          
          
          
          
          
          
          
            
            
            
            
            
            
            
            
            
            
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方