2025/09/29
防災・危機管理ニュース
【ニューデリー時事】2200人超が犠牲となったアフガニスタン東部の大地震から30日で約1カ月。厳しい冬の到来を控え、住まいを失った被災者からは不安の声が上がる。
「冬が来たら大きな問題に直面する」。甚大な被害が出たクナール州ヌルガル地区に暮らすアブドル・ワハブさん(33)は、地震で自宅が倒壊し、妻や息子ら家族5人を失った。残された親族といまだ仮設テントでの生活を余儀なくされる。
地震前、農業などで生計を立てていた。今は職を失い、自宅を再建できる見込みはない。イスラム主義組織タリバン暫定政権からのわずかな経済援助だけでは足りず、「国際社会も助けてほしい」と訴える。
山岳地帯のクナール州は、冬には氷点下20度を下回る日もある。仮設テントで越冬するには厳しい環境だ。
国連人道問題調整事務所(OCHA)は、被災地一帯では現在3000世帯以上が避難生活を送っていると指摘。気温が下がる中、避難所だけでなく屋外で寝泊まりを強いられる家族もいるとし、「防寒対策と避難所への支援が極めて重要だ」と訴えた。
一方、国連女性機関(UNウィメン)は、タリバンが今月上旬以降、首都カブールの国連施設への女性職員の立ち入りを制限したため、支援活動に支障を来していると明らかにした。
タリバンはこれまでもイスラム法の極端な解釈に基づき、頭部を覆うスカーフ「ヒジャブ」を着用していないことを理由に、国連やNGOで働く女性職員の出勤停止を命じたことがある。ただ、被災地で女性支援者が活動することは禁じていないという。
〔写真説明〕アフガニスタン東部クナール州ヌルガル地区に設置された地震被災者のための仮設テント=14日(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/09/30
-
-
-
-
-
カムチャツカ半島地震 津波対応振り返り【専門家】
7月30日、ロシア・カムチャツカ半島付近の地震による津波が日本列島に到達。広い範囲で津波警報が発表されました。突然の警報に戸惑った企業も多いのではないでしょうか。南海トラフ地震では、短時間でより大きな津波が襲います。教訓として残ったものは何か。企業の振り返りと専門家へのインタビューを通じ、津波対策の課題と改善点を探ります。
2025/09/24
-
-
カムチャツカ半島地震 津波対応振り返り【企業】
7月30日、ロシア・カムチャツカ半島付近の地震による津波が日本列島に到達。広い範囲で津波警報が発表されました。突然の警報に戸惑った企業も多いのではないでしょうか。南海トラフ地震では、短時間でより大きな津波が襲います。教訓として残ったものは何か。企業の振り返りと専門家へのインタビューを通じ、津波対策の課題と改善点を探ります。
2025/09/19
-
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方