2025/10/17
防災・危機管理ニュース
【エルサレム時事】パレスチナ自治区ガザ和平案の「第1段階」が発効して17日で1週間。イスラム組織ハマスによる人質の遺体返還が遅れる中、イスラエルは圧力をかけるため軍事作戦再開をちらつかせる。約2年に及ぶ激しい戦闘の末にたどり着いた停戦が早くも揺らいでいる。
トランプ米大統領が主導した和平案は、第1段階として、ハマスが拘束する人質全員を解放するよう定めた。ハマスは解放期限の13日に生存する人質全員を引き渡したが、死亡した人質28人のうち遺体を返還したのは一部にとどまる。別人の遺体も含まれるなど、混乱が生じている。
ハマスは15日の声明で、現状で返還可能な遺体はすべて引き渡したとして、合意の履行を主張。イスラエルの攻撃でガザががれきの山と化したため、残る遺体の収容には「多大な労力と特別な機器が必要だ」と訴えた。
遺体返還の遅れにより、停戦は不安定化に向かっている。イスラエルのカッツ国防相は「ハマスが合意履行を拒んだ場合、米国と協調して戦闘を再開する」と表明。ハマスを打ち負かすための「包括計画」の準備を軍に命じた。
第1段階の履行が不完全な中、ハマスの武装解除やガザの戦後統治などを定める「第2段階」の議論も進んでいない。イスラエル政府高官は地元メディアに「第1段階が完了してから、第2段階の協議を行う」と説明する。
トランプ氏は、ハマスが武装解除を拒否した場合、「イスラエルが(ガザの)街頭に戻り、ハマスをたたきのめすだろう」と述べ、ガザ再攻撃を容認する考えを表明した。
背景には、ハマスが「治安の空白を埋める」として、ガザの武力支配復活をもくろんでいることがあるとみられる。ハマス情報筋はロイター通信に対し、イスラエルの協力者や武装した略奪者らを許さないと強調。公開処刑の映像もSNSで拡散された。停戦後もイスラエル軍の攻撃で死者が出ており、ガザでは犠牲者の拡大が続いている。
〔写真説明〕15日、パレスチナ自治区ガザの南部ハンユニスに運び込まれる物資(EPA時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/06/02
-
-
-
失われた危機意識を取り戻す災害図上訓練で自分ごと化 ミツバ
どのメーカー系列にも属さず、複数の自動車メーカーや1次サプライヤーに四輪と二輪用の電装部品を供給する独立系のサプライヤーであるミツバ(群馬県桐生市、日野貞実代表取締役社長)。近年、過去に考えられた災害対策が、途絶えつつあった。同社では“自分ごと化”で従業員の危機意識を高めるため、災害図上訓練を実施。参加者の意欲が高まり、対策用の新たな要望が集まるなど、確実な手応えを感じている。
2026/05/26
-
-
-
-
-
顧客の安全と安心をAIと人のアシスタンスサービスで追求
JTBグローバルアシスタンス(東京都千代田区)は、渡航先でのけがや荷物の紛失、言語の壁など、海外旅行に関わるトラブルを包括的にサポートしてきた。昨今では地政学リスクの高まりに応じ、自社の危機管理ソリューションを生かした出張者や駐在員の安全確保にも注力している。創業35年を機に、AIと人間、それぞれの長所を組み合わせたハイブリッド型サービスの展開を目指す。混沌(こんとん)とした時代の中、海外旅行に伴うリスクを低下させ、旅行者の安全をどのように確保するのか。鈴木章敬代表取締役社長に話を聞いた。
2026/05/19
-






※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方