「うちに関係ない」はもはや通用しない
炎上の構造変化で高まる経営リスク

テクノロジーリスク勉強会 10月17日

Japan Nexus Intelligence ヘッドアナリスト
竜口七彩氏

テクノロジーリスク勉強会を10月17日に開催。Japan Nexus Intelligenceの竜口七彩氏が炎上を解説

炎上の前兆はオンライン空間上の負のナラティブ

テクノロジーリスク勉強会は10月17日、オンラインで開催した。Japan Nexus Intelligence ヘッドアナリストの竜口七彩氏が、オンライン言論空間上の経営リスクとして「炎上」をピックアップ。従来の対策が及ばないほど影響が大きくなっていると指摘し、企業がどう向き合うべきかを解説した。

オンライン言論空間における偽情報やデマ、誹謗中傷のリスクは、政治家や有識者からも再三指摘されるところ。うち、炎上との向き合い方について竜口氏は、企業の発信や評判などの「情報」、情報に対する反応の「動機」、動機を引き金とした投稿拡散などの「集団的活動」という3つの視点で考えるべきと話した。

竜口氏は「この3つがネガティブに拡大すると炎上になる」とし、典型的な事例として昆虫食メーカーと大手家具販売会社の炎上を紹介。特に注意する点として「ナラティブ(物語)化」をあげ「単なる事実の列挙ではなく物語として語られると、政治的・社会的な善悪の意味が付与され、客観性が乏しくても受け入れられやすくなってしまう」とした。

そのため企業は最低過去1年をさかのぼり、オンライン空間上に負のナラティブがないかを調査・分析したうえで定期的なモニタリングを行うことが必要と指摘。もし発見したら「どういう人がどういう情報を、どういう動機で集団的活動に展開しているのかを把握したうえで、ナラティブに打ち勝つ対策を実施する必要がある」と話した。

参加者の声
 

・今の炎上が昔の炎上と違っている点、炎上のメカニズムに関してよく理解できました。
 

・とても興味深いお話しでした。オンライン空間の言説の分析に取り組んでみたいと思います。
 

・手を打つタイミングがよくわかりました。
 

・ナラティブ化することで特定の範囲以外にも拡散し、理解(誤解)が定着してしまうことに対するシンプルな解はないこと、ケースバイケースで対応を検討すべきである点を理解しました。


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