深刻なストーカー被害に対処するため、政府は11日、忘れ物防止などに使う「紛失防止タグ」を悪用した位置情報の取得を禁じ、ストーカー行為の中止を文書で求める「警告」を警察の判断のみで出せるようにするなどのストーカー規制法改正案を閣議決定した。今国会での成立を目指す。
 紛失防止タグは、発する信号を周囲の携帯電話などが検知し、位置を特定する。2021年の同法改正で全地球測位システム(GPS)機器による位置情報の無断取得行為が禁じられたが、タグは通信方式が違うため対象外だった。
 タグを悪用されたとする相談件数は昨年370件と前年比で倍増し、今年はそれを上回るペースで推移。仕込んだタグで居場所を突き止めた事件も起きている。改正案はタグによる位置情報取得や無断取り付けを禁止。配偶者暴力防止法(DV防止法)も改正し、同様の規制を盛り込む。 

(ニュース提供元:時事通信社)