【ワシントン時事】米サンフランシスコ連邦準備銀行は24日、関税が物価と失業率に与える影響に関する分析を公表した。インフレ率は関税の導入から徐々に高まり、価格転嫁の進展を受け3年後にピークを迎える。一方、失業率は1年後にかけて上昇した後、緩やかに低下することが示された。
 関税率が上昇した場合のインフレ率と失業率の変化を4年後まで推計した。当初は消費者が支出への慎重姿勢を強める一方、企業は輸入コストの増加を受け、サプライチェーン(供給網)の見直しに備え、設備投資を控える。だが、その後は価格転嫁が進むにつれ、物価・雇用への影響が反転するとしている。
 分析によると、関税の導入当初はインフレ率が低下。その後上昇を続け、3年後には10%の関税上昇に対し1%弱の比率で物価を押し上げる。失業率は、10%の関税引き上げに対し当初は0.5%弱、1年後に約1%の比率で上がるが、2年後からはマイナス0.5%から0%の間を推移している。
 サンフランシスコ連銀は「適切な金融政策を講じる上で、貿易政策が経済に及ぼす影響のタイミングを理解することが重要だ」と指摘した。 
〔写真説明〕港に積み重ねられる海上コンテナ=4月15日、米カリフォルニア州サンペドロ(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)