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前回のコラム第11回-海外子会社経営リスク管理編(7)では、海外子会社の内部統制について、経営管理責任者の任命が重要である点、本社で現地からの財務報告を中心に確認する方法、現地経営者による経営管理チェックとしてCSAおよびKRIによる確認方法を説明しました。今回は、本社に報告された内容が本当かどうか?を現地に赴きチェックする「現地往査」と内部けん制について述べさせていただきます。

1. 日本本社による「現地往査」とは

前回説明した「財務諸表管理、Control Self Assessment(CSA)管理、Key Risk Indicator(KRI)管理」は主に日本で行います。ただし、日本で行う管理には限界があります。現場に赴き現地経営者で従業員と顔を合わせながらさまざまな経営リスクを第三者的にチェックすることが必要です。現地に監査チームを送り、現地監査を行うことを「現地往査」と言います。中堅・中小企業では、この現地往査チームの結成が人材・人員的に難しい場合が多いのですが、その場合には、社長自らが現場に赴き、自社のメンバーに加え第三者の専門家と一緒に現地往査を行う必要があります。この現地往査は、現地の経営者及び経営幹部に対し不正を働くなどの機会牽制に結び付きます。日本企業の中には、現地の経営幹部から「信じていないのですか?」と言われ、躊躇するケースが散見されますが、「現地の社員を信じているからこそ、その証明をしたい。そのことがグループのためになる」ということを現地に納得してもらい、現地往査を実施することが求められます。