イメージ’(Adobe Stock)

企業が開く記者会見について、クライシスコミュニケーション(危機管理広報)の専門家として分析して欲しいと、記者から依頼されることがあります。記者会見がすぐに開かれない場合には、会見を開かない妥当性について聞かれることもあります。企業は必ず会見を開く必要があるでしょうか。今回は、記者会見の開催について考察します。

記者会見は必ず開くもの?

「記者会見を開くのが遅いのではないですか。他の専門家もそう言っていますが、石川さんはどう思いますか」「社員の横領について会社は記者会見すべきではないですか」ーー。

これは不祥事やトラブルが発生すると、記者からの取材でよく聞かれることです。こちらからは「知らせるべき人に伝わっているうえで、報道で不特定多数の人に知らせる必要が本当にありますか」「会見によって被害が悪化することもありますよ」などと伝えつつ、やり取りをしています。結果として会見しない理由について著者の話を理解され、記事にならず、コメントが紹介されないこともあります(だからといって悔しがるほど心は狭くありません)。

会見実施の判断が最も難しいのは、企業が攻撃を受けた場合になります。今回はこの点を掘り下げます。最近ではアサヒグループホールディングス(以下アサヒGHD)やアスクルへのランサムウェアサイバー攻撃が報道されています。アサヒGHDは会見を開き、アスクルは開いていません。

それらの評価の前に、少し回り道になりますが、攻撃を受けた側の記者会見に関する2つの過去事例を紹介します。在ペルー大使公邸占拠事件とアルジェリア人質事件です。

■動画解説(記者会見研究チャンネル:石川慶子運営)
「サイバー攻撃を受けた時の記者会見はどう判断すればいい」