2025/12/27
防災・危機管理ニュース
能登半島地震で甚大な被害を受けた奥能登4市町で、「墓じまい」のための改葬許可の申請が、地震後の2024年度以降、900件以上に上ることが27日、分かった。地震前の約2.5倍のペース。能登以外に改葬するケースが多く、人口流出が進む中で墓の修復や維持が難しくなっている現状が浮かぶ。
改葬許可は、墓を撤去し、別の墓や納骨堂などに移す際に自治体に申請する。24年度から25年11月末までの1年8カ月に、輪島市への申請が199件、珠洲市231件、穴水町70件、能登町465件で計965件。4市町では月約48件のペースで、地震前が大半の23年度(月約19件)と比べ加速している。
墓じまいをした人の改葬先を輪島市に尋ねると、24年度以降は約65%が市外。能登町も約45%が町外だった。
被災地では多くの墓が地震で倒壊し、今もブルーシートを掛けられたまま未修復の姿が目立つ。「地震後墓参りに来なくなった人もおり、修復するつもりがあるのか分からない」と能登町の寺の住職はこぼす。
輪島市の「仏照寺」では、十数軒の門徒が地震後に墓じまいを決めた。既に市外に移り住んだ人が多く、橘昌憲住職は「お墓がなくなると墓参りの機会がなくなり、生まれた場所に足が向かなくなる」と懸念する。
墓の維持が難しくなっていることを受け、自治体が管理する合葬墓への改葬希望も相次ぐ。輪島市の市営合葬墓には、地震後は従来の約5倍のペースで申し込みが殺到。能登町も合葬墓の整備を予定しており、吉田義法町長は「合葬墓がなければ墓はもっと出て行ってしまう。ここで育ち、先祖も自分もここで眠りたいという住民のために安心して供養できる場所が必要だ」と話した。
〔写真説明〕能登半島地震後、利用申請が殺到する石川県輪島市営の合葬墓=19日、同市
(ニュース提供元:時事通信社)

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