【ロンドン、ベルリン、パリ時事】トランプ米大統領が21日、デンマーク自治領グリーンランド問題を巡る欧州8カ国への追加関税取りやめを発表し、関係国には安堵(あんど)が広がった。イタリアのメローニ首相はSNSで方針撤回を歓迎。「引き続き同盟国間の対話促進が不可欠だ」と訴えた。
 オランダのスホーフ首相は「われわれは緊張緩和に向かっている」と胸をなで下ろした。ドイツのクリングバイル副首相兼財務相は地元メディアに「米国内や欧州、国際社会から批判が高まり、トランプ氏を変えた」と分析。米国の同盟国の主権に関わると強い懸念を伝えたことが奏功したと自賛した。
 デンマークのラスムセン外相も、トランプ氏がグリーンランド領有のための武力行使を否定したことを「前向き」と評価。一方で「トランプ氏が領有への野心を依然持っていることは明白」とも強調し、「問題が解決するわけではない」と、警戒は解かなかった。
 トランプ氏が主張する北大西洋条約機構(NATO)とのグリーンランドに関する「合意」については、クリングバイル氏が「喜ぶのは早計。合意の正確な内容は分からない」とくぎを刺した。
 グリーンランド自治政府は21日、万が一の「危機」に備えた住民向けのガイドラインを発表。食料や水、狩猟用武器・弾薬の備蓄を呼び掛けた。 
〔写真説明〕イタリアのメローニ首相=9日、ローマ(EPA時事)

(ニュース提供元:時事通信社)