【ワシントン、イスタンブール時事】米国とイランの代表団は11、12両日、仲介国パキスタンの首都イスラマバードで戦闘終結に向けた協議を行ったが、合意に至らなかった。原油輸送の要衝ホルムズ海峡の開放やイラン核開発を巡り双方の主張は平行線をたどった。対立が続き、停戦の行方は予断を許さない。

 米代表のバンス副大統領は12日の協議後、イラン側と「中身のある協議を行ったが、悪い知らせは合意に至らなかったことだ」と説明。具体的には「イランは長期にわたり核兵器を開発しないという決意を見せなかった」と不満を示した。

 さらに、協議中もトランプ大統領と連絡を取って「誠意をもって交渉した」と強調。「最終かつ最善の提案を残していく。イランが受け入れるか見守ろう」と述べ、譲歩を迫った。

 トランプ氏はこの後、SNSへの投稿で、イラン側の対応への不満を表明。ホルムズ海峡を巡り、米海軍が封鎖するプロセスを「即座に」開始すると述べた。トランプ氏は、同海峡で機雷除去の作業を始めたことも明らかにしている。

 一方、イランは精鋭軍事組織「革命防衛隊」出身のガリバフ国会議長らが出席。ガリバフ氏は12日、SNSに「相手方(米国)がイランの信頼を得られなかった」と投稿した。イラン外務省報道官は協議後、幾つかの課題で理解に達したものの「重要な2、3項目で見解が異なり合意に達しなかった」と主張。「パキスタンや地域の友好国と調整を続けていく」と語った。

 また、パキスタンのダール副首相兼外相も協議後に「今後も米イランの対話を促す役割を果たす」と表明した上で、双方に停戦順守を訴えた。

 イラン側の説明では、協議でホルムズ海峡の管理や核開発、イランへの制裁解除や交戦に伴う賠償などが議題になった。イランのメディアは、米側がホルムズ海峡について「過大な要求」を出し、海峡の問題以外にも「受け入れ難い」条件を突き付けたと報じた。 

 協議は11日午後(日本時間同日夜)から、休憩などを挟んで12日午前まで断続的に20時間以上続いた。バンス氏とガリバフ氏は対面での協議を実施。1979年のイラン・イスラム革命後に断交して以降、米イランの対面での交渉としては最高位の顔合わせとなった。(了)

11日、イスラマバードで会談するバンス米副大統領(左)とパキスタンのシャリフ首相(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)