経済産業省は4月20日、「第2回 自動車サプライチェーン取引適正化会議」において、自動車業界のサプライチェーン(供給網)に関する実態調査の結果を公表した。調査からは、部品の生産やそれに用いる金型の保管・管理を巡り、受注側である部品メーカーなどにコスト負担が偏る構造的な課題が依然として残っている実態が明らかになった。

今回の調査は2月から3月上旬にかけて実施され、型取引、補給品、価格決定など複数のテーマについて現場の実態を把握したものだ。その結果、ルールの未整備や運用のばらつきに起因する負担が、サプライチェーン下流の企業に集中している状況が浮き彫りとなった。

特に問題が顕著だったのが、金型の保管費用を巡る取引だ。調査では、保管費の支払い自体は徐々に進んでいるものの、依然として十分とは言えない状況が確認された。例えば、
・保管費は支払われるケースが増えたものの「査定価格が低い」
・保管費の対象や算定基準が取引先ごとに異なり、交渉に時間と手間がかかる
・所有権が不明確な金型については費用が支払われない
といった声が寄せられている。

また、費用請求にあたっては詳細なエビデンス提出を求められるケースも多く、事務負担の増大が企業の経営リスクとなっている。

さらに、量産終了後の金型の扱いも大きな課題だ。生産終了後も廃棄や返却の指示がなく、長期間保管を続けるケースとして、10年以上保管される例も存在
廃棄費用が支払われない、といった実態が確認された。

保管期間や廃棄ルールが明確でないため、部品メーカー側が半ば自動的に保管を担い続ける構造となっており、倉庫コストや管理負担の増加につながっている。

自動車産業の競争力維持に向けては、取引の透明性向上とコストの適正配分が不可欠であり、今後の制度整備と業界全体での取り組みが問われている。