2026/05/17
防災・危機管理ニュース
【ニューヨーク時事】米国や日本など世界各国の長期金利が記録的水準に上昇している。米イランの紛争終結が見通せない中、原油価格の高止まりを受けたインフレ懸念増大や、各国中央銀行による利上げ観測の台頭が背景とみられる。日本や英国については財政不安も要因と指摘される。
米長期金利の指標である10年物米国債利回りは15日、1年ぶりに4.6%台に乗せた。日本の10年債利回りは一時2.73%と29年ぶりの高水準に達し、30年債利回りは1999年の発行開始から初めて4%を超えた。英国の10年債利回りも約18年ぶりの高水準となった。
一方で同日の株価は世界的に、金利上昇に圧迫され下落した。それでもなお、人工知能(AI)分野の成長期待などに支えられ高値圏にあるが、専門家からは「金利は株式市場に警告を発している」(米アナリスト)と警戒する声が聞かれる。
金融市場では、紛争で事実上閉鎖された原油輸送の要衝ホルムズ海峡における自由な航行が、すぐには再開しないとの認識が広がる。原油先物市場で、米国産標準油種WTIは1バレル=100ドル前後を推移。最近、米国や日本などで発表された物価上昇率はいずれも拡大基調にあり、インフレが幅広い分野に波及する恐れが強まっている。
日本以外の主要中銀は紛争前、利下げ局面にあった。しかしインフレ圧力の高まりで状況は一変。金利先物市場が織り込む米連邦準備制度理事会(FRB)の年内の利下げ回数は15日にほぼゼロとなる一方で、利上げの確率がじわり上昇した。欧州中央銀行(ECB)が6月の理事会で利上げに踏み切るとの観測も浮上する。
こうした中、日本政府はエネルギー高への対応で補正予算案の編成を検討する。英国ではスターマー首相が辞任圧力にさらされており、首相が代われば財政拡大により、金利をさらに押し上げかねない。日本の金融関係者は「英国の財政不安が世界の金利に飛び火した」との見方を示した。
〔写真説明〕米国でガソリン価格が高騰する中、車に給油する人=3月31日、ニューヨーク(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

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