国連開発計画(UNDP)のアレクサンダー・デクロー総裁は18日、東京都内で時事通信のインタビューに応じ、イラン情勢の緊迫化を受けた原油価格の高騰で化学肥料の生産が大幅に減少していると述べ、「9月か10月には、世界の多くの地域で食料不足が起きるだろう」と警告した。また、「少なくとも年末まではエネルギー価格の高騰と高インフレ、それに伴う不安定な状況が続く」と指摘し、早期の紛争解決を訴えた。
 デクロー氏は、事実上の封鎖状態が続くホルムズ海峡について「石油タンカーは自転車ほどのスピードでしか進んでいない」と説明。原油高により肥料価格が「爆発的に高騰している」とし、「日本の農家は払えるだろうが、貧困国ではそもそも肥料が届かなくなる」と懸念を示した。
 米イラン間の溝は深く、停戦交渉の先行きは不透明だ。デクロー氏は、国名の名指しは避けつつも「自分たちの行動がどれほどの影響を及ぼしているか理解しているのかを問いたい」と、強い口調で語った。
 各国の海外援助削減により、「支援のニーズの方が供給を上回っている」と苦境を明かした。「不安定な世界情勢の影響を受けない国は一つもない」と強調。「パレスチナ自治区ガザやウクライナ、南スーダンなど、遠い国の出来事だと思うかもしれないが、あなたが思うよりずっと早く、影響はすぐ目の前まで来るかもしれない」と呼び掛け、支援継続を訴えた。 
〔写真説明〕インタビューに応じる国連開発計画(UNDP)のデクロー総裁=18日、東京都渋谷区

(ニュース提供元:時事通信社)