2026/07/25
防災・危機管理ニュース
相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で45人が殺傷された事件は26日で発生から10年となる。事件では入所者19人が犠牲となったが、消防や医療関係者の懸命な活動で救われた命もあった。当時、消防隊員だった関口晃嗣さん(64)は事前の訓練が生きたとしつつ「2度と起きてほしくない」と振り返る。
事件発生は午前2時ごろだった。津久井消防署警備課長だった関口さんは自宅で就寝中だったが、通信指令室から「大勢の負傷者発生」と連絡を受け、署長と現場に急行した。
到着したのは午前4時20分ごろ。市で同園に向かえる救急車14台はすべて稼働していたが、先着した隊員からは「あと10台お願いします」と要請があった。周辺自治体に応援を頼み、計30台の救急車を確保したことで死傷者45人という想定外の事態に対応できたといい、「感謝しかなかった」と語った。
同消防署がやまゆり園で毎年行っていた消防訓練も功を奏した。関口さんによると、園内の建物の配置などを把握していたため、階段のない裏門から負傷者を搬送することなどができた。「スムーズに助けられたことで救われた命もあった」と振り返る。
事件後、同市消防局は、傷病者多数発生時の対応計画を見直し、初動から多くの救急車や隊員を出動させる方針に変更するなどした。
4年前、消防局を退職した関口さんは現在、市緑区地域振興課に勤務しつつ、専門講座を受講するなどして障害者の支援にも力を入れる。障害の有無や国籍などにとらわれない共生社会の実現を願っているといい、「すべての人の人権や個性が尊重されるような仕組み、世界になってほしい」と力を込めた。
〔写真説明〕相模原殺傷事件を振り返る元相模原市消防局の関口晃嗣さん=7日、相模原市中央区
(ニュース提供元:時事通信社)

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