果樹や街路樹を枯らす特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」の被害拡大を踏まえた政府の防除戦略案の概要が9日、分かった。2030年までに被害地域の拡大を食い止め、縮小に転換させるとの目標を設定。対策の抜本的強化のため、国が自治体に対して技術的、財政的な支援を行うことを盛り込んだ。近く対策本部で決定する。
 防除戦略案は、クビアカツヤカミキリによるウメやモモといった果樹への被害に加え、桜の名所で樹木が失われるなど観光への悪影響も強く懸念されるとしている。
 生息域の拡大を食い止める具体的な対策として、被害木の切り倒しや樹木を食い荒らす幼虫の個別駆除、薬剤散布などを列挙。都道府県を中心に広域的な実施を求めた。
 国は自治体に対し、防除手法の開発や普及、専門家の派遣などを行うとともに、十分な財政支援をすると明記した。生息域を広げないための予防措置や初期防除に関する対策は、支援の拡充を検討する。大学など研究機関と連携し、被害を受けにくい樹木や予防効果の高い薬剤の開発も進める。
 既に被害が出ている22都府県には「地域防除戦略」の早期策定を推奨。この中に防除目標を盛り込み、市町村が被害状況の把握や農業従事者への指導、住民向けの啓発などを担う。被害が発生していない道県でも、予防や早期発見につながる対策をあらかじめ作るよう呼び掛ける。 
〔写真説明〕クビアカツヤカミキリの成虫(農林水産省植物防疫所提供)
〔写真説明〕クビアカツヤカミキリの幼虫(和歌山県提供)

(ニュース提供元:時事通信社)