改正・外国人雇用管理指針
3大重点ポイント
外国人労働者は対等なパートナー
毎熊 典子
慶應義塾大学法学部法律学科卒、特定社会保険労務士。日本リスクマネジャー&コンサルタント協会評議員・認定講師・上級リスクコンサルタント、日本プライバシー認証機構認定プライバシーコンサルタント、東京商工会議所認定健康経営エキスパートアドバイザー、日本テレワーク協会会員。主な著書:「これからはじめる在宅勤務制度」中央経済社
2026/08/19
ニューノーマル時代の労務管理のポイント
毎熊 典子
慶應義塾大学法学部法律学科卒、特定社会保険労務士。日本リスクマネジャー&コンサルタント協会評議員・認定講師・上級リスクコンサルタント、日本プライバシー認証機構認定プライバシーコンサルタント、東京商工会議所認定健康経営エキスパートアドバイザー、日本テレワーク協会会員。主な著書:「これからはじめる在宅勤務制度」中央経済社
厚生労働省の「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針(外国人雇用管理指針)」が改正され、令和8年6月14日から段階的適用開始となりました。令和9年4月1日施行予定の「不法就労助長罪」の厳罰化や、「育成就労制度」導入に向けた環境整備の一環として、企業には、より厳密かつ適正な外国人労働者の雇用と労務管理が求められています。
日本の人手不足が一段と深刻化する中、外国人労働者は企業の持続的成長に欠かせない存在となっています。一方で、不適正な就労環境、言葉や文化の壁による労働災害、不法就労の発生など、人事労務上の課題も顕在化してきました。
そうした状況で、外国人の労働環境の適正化や不法就労の防止、さらに令和9年4月から本格始動する「育成就労制度」への円滑な移行を見据え、「外国人雇用管理指針」が改正されました。この改正は単なる行政手続きの見直しにとどまらず、企業における「コンプライアンスリスク」「人権リスク」「労働災害リスク」に直結する重要な変更となっています。
①「同一労働同一賃金ガイドライン」の適用徹底
外国人労働者の「同一労働同一賃金ガイドライン」適用が明確化されました。このガイドラインでは、正社員と短時間・有期雇用労働者又は派遣労働者の間に、基本給、昇給、賞与、諸手当(住宅手当、通勤手当など)、ならびに福利厚生や教育訓練の実施に至るまで、不合理な差を設けることを禁止しています。また、国籍、言語、在留資格などを理由とした差別的な待遇格差は明確な法違反となります。
②日本語学習と生活適応の支援が努力義務化
企業には、外国人労働者の日本語学習支援が求められます。業務上の意思疎通をスムーズに行い、職場や地域社会へ定着できるよう、事業主は、「日本語教育の推進に関する法律」に基づき、国又は地方公共団体が実施する日本語教育の推進に関する施策への協力と、雇用する外国人労働者とその家族への日本語学習の機会の提供などが定められています。
文部科学省が提供する無料の日本語学習コンテンツ「つながるひろがる にほんごでのくらし」などの周知や活用の促進や、 作業手順書や安全衛生標識へのルビ振り、ピクトグラム化、多言語マニュアルの整備など、理解を深める環境づくりが求められています。
③「在留カード等読み取りアプリケーション」の活用と不法就労防止
ハローワークへの外国人雇用状況の届出にあたり、在留資格や在留期間の厳格な確認が求められます。目視確認だけでなく、出入国在留管理庁が提供する「在留カード等読み取りアプリケーション」などを活用したICチップ情報の直接確認が推奨され、一般化しています。
令和8年6月14日以降、カード券面の記載様式変更や「特定在留カード(マイナンバーカードとの一体化)」の運用も始まっており、正確な情報把握が必要とされます。
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