熊本県で震度7の揺れを観測した28日午後の地震では、被災地の商業施設や工場が被害を受け、安否確認に追われるなど、経済活動に影響が広がっている。イオンは、イオンモール熊本(同県嘉島町)で爆発が発生。従業員の安否が不明との情報がある。日本製紙の八代工場(同県八代市)でも煙突が倒壊するなど甚大な被害を受けた。トヨタ自動車やホンダは工場の稼働を停止した。
 イオンは、イオンモール熊本の被害状況について「地震後にお客さまと従業員が施設外に避難し、その後爆発した。被害については確認中」と説明しているが、従業員20~30人が安否不明との情報がある。日本製紙は煙突が倒壊した八代工場で数名の安否が分かっておらず、被害の状況を調べている。
 トヨタは、トヨタ自動車九州(福岡県宮若市)の福岡県内3工場の稼働を停止。従業員の被災や設備の被害はなく、物流への影響を確認中。29日には稼働を再開する予定だ。ダイハツ工業は子会社のダイハツ九州(大分県中津市)の大分工場(同)と久留米工場(福岡県久留米市)の稼働を停止。ホンダは熊本製作所(熊本県大津町)の稼働を停止した。湖池屋も、九州阿蘇工場(同県益城町)の生産を停止した。
 半導体受託生産世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の熊本工場(同県菊陽町)でも従業員が一時退避。安全を確認後、順次工場に戻ったという。
 ヤマト運輸は熊本県全域での営業を停止。佐川急便は同県全域で荷物の集荷・配達を見合わせ、日本郵便も同県を発着するゆうパックの取り扱いを停止し、同県内の全ての郵便局の29日の窓口業務を休止する。
 セブン―イレブン・ジャパンは同県内の数店舗を休業した。約30店舗では停電が続いているが、夕方時点では人的被害や大規模な建物倒壊などの報告はないという。ローソンも同県内の23店舗と鹿児島県内の1店舗、ファミリーマートも熊本県内の9店舗をそれぞれ休業した。
 NTTドコモ、KDDI、楽天モバイルは地震に伴い一部の地域で通信サービスに支障が出ていると発表した。基地局までの伝送路の故障などが原因という。ソフトバンクは28日夜時点で支障は確認されていないとしている。 
〔写真説明〕外壁が剥がれたイオンモール熊本の駐車場=28日午後、熊本県嘉島町(近隣住民提供)

(ニュース提供元:時事通信社)