政府は31日、首相官邸でサイバーセキュリティ戦略本部(本部長・高市早苗首相)を開き、企業に対するサイバー攻撃の高度化を踏まえ、対策を盛り込んだ基本方針を決定した。事前に攻撃の兆候を探る「脅威ハンティング」能力の普及に向け、政府機関や重要インフラ事業者を支援することが柱だ。
 首相は「加速度的に脅威を増すサイバー攻撃はわれわれの準備を待ってはくれない」と指摘。「取り組みの不断の強化と見直しを行い、世界最高水準の強靱(きょうじん)化確保に向けて全力で取り組んでほしい」と指示した。
 最近のサイバー攻撃では、冷凍食品大手ニチレイのシステム障害で物流が混乱し、飲食チェーンなどに大きな影響が出た。同本部の事務局によると、従来に比べ攻撃が高度、巧妙になっており、最深部の制御系システムへの侵入や長期の潜伏能力も確認されている。
 基本方針は「早期発見は事業停止など経営上のリスク回避に直結する」と強調。エネルギーや交通、物流、情報通信、金融といった事業者を対象に、擬似的なサイバー攻撃などを通じて人材育成を支援する。同盟国・同志国と連携し、攻撃の検知方法の共有なども打ち出した。 
〔写真説明〕サイバーセキュリティ戦略本部で発言する高市早苗首相(中央)。右は松本尚サイバー安全保障担当相=31日午前、首相官邸

(ニュース提供元:時事通信社)