最大震度7を観測した熊本地震では、感染症や高齢者の体力低下を防ぐことも課題となっている。真夏は熱中症にも注意が必要で、支援に携わる医師は「マスクは必要な場面で着用し、避難所でもできる範囲で体を動かすことが大切だ」と話している。
 熊本県によると、県内の定点医療機関から7月26日までの1週間に報告された新型コロナウイルスやインフルエンザの感染者数はいずれも前週から減少した。手足や口に発疹ができる手足口病も警報基準を下回っている。
 一方、避難所では多くの人が共同生活を送るため、新型コロナや感染性胃腸炎などの集団感染が起きやすい。このため県は手洗いや換気など基本的な感染対策の徹底を呼び掛けている。
 文部科学省の調査によると、2026年5月時点で避難所に指定されている熊本県内の公立小中学校の体育館の冷房設置率は20.9%で、全国平均(33.1%)を下回った。宇城市や氷川町はいずれも0%だった。
 体育館は日中に蓄えられた熱が夜間まで残り、高温状態が続くことも少なくない。ただ、感染予防でマスクを着用すると熱がこもりやすくなり、熱中症リスクも高まる可能性がある。
 東日本大震災を経験した石巻赤十字病院元副院長で、日本赤十字社の植田信策医師は「熱中症対策と感染症対策は時に相反する。全員がマスクをするのではなく、密集を避けつつ症状がある人が着用するなどメリハリが重要だ」と話す。
 高齢者は避難生活が長引くと、体力の低下も深刻な問題となる。植田医師によると、東日本大震災では避難生活が続く中、自立生活していた高齢者が、約1カ月後に全面的な介助を要するまで体力が落ちた例もあったという。車中泊はエコノミークラス症候群のリスクも高まるため、植田医師は「避難所でも無理のない範囲で歩くほか、ラジオ体操など体幹を使う運動を、年齢に応じて取り入れてほしい」と話している。 

(ニュース提供元:時事通信社)