熊本地震に伴う自動車メーカーの工場稼働の停止が長引いている。関連企業の被災や物流の目詰まりで部品供給が滞り、トヨタ自動車や日産自動車、ダイハツ工業が、工場の稼働停止や一部車種の生産休止の期間を今月5日から7日まで延長。影響は本州の工場にも及び、再開の時期を示せていない。一方、九州に集積する半導体工場は、再開に向けて動きだした。
 九州では、北部を中心に自動車産業が集まっている。九州経済産業局によると、国内生産の15%近くを占め、関連企業数は1000社超。完成車や部品のメーカーなどが、相互に依存する複雑なサプライチェーン(供給網)を築いている。
 トヨタ系部品メーカーのアイシンは、被災したアイシン九州(熊本市)の工場復旧を急ぐ。生産ラインの点検に着手したが、再開のめどはたっていない。アイシンは、10年前の熊本地震などを踏まえ、「生産体制を分散させ、ある程度在庫も持っている」(幹部)と説明。代替生産などで悪影響を抑えたい考えだ。
 別の自動車部品大手幹部によると、部品供給先の工場が停止したため、被災を免れた工場の一部も、稼働を停止する事態に陥っているという。
 一方、半導体工場では、復旧が進む。ルネサスエレクトロニクスは、川尻工場(熊本市)が、5日から順次生産を再開し、月内にも生産能力は震災前の水準に戻る見込み。錦工場(熊本県錦町)は、震災前の生産水準になった。ソニーグループでは、画像センサーを生産している熊本県菊陽町の工場が、4日から段階的に操業を再開する見通しだ。 
〔写真説明〕ルネサスエの川尻工場=2022年7月、熊本市南区

(ニュース提供元:時事通信社)