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気象庁は、顕著な災害を引き起こした気象現象に特別の名称を定めることがある。これまでに、現象名に島の名前が使われた台風が4つあり、そのうちの3つが宮古島(沖縄県)であることは、「幻の第4宮古島台風」(本連載2023年9月掲載)で述べた。今回は、残る1つである沖永良部島(おきのえらぶじま)を襲った、1977年9月の沖永良部台風をとりあげる。

沖永良部台風は、わが国の陸上における最低海面気圧907.3ヘクトパスカルを記録した台風として知られる。沖永良部島では、この台風に伴う暴風により、約半数の住家が損壊する被害を受けた。その他、この台風の影響により、関東から九州にかけての太平洋側で大雨となり、総降水量は多いところで400ミリメートルに達し、浸水被害を受けた家屋は3207棟にのぼった。この台風による人的被害は、神奈川県で死者1名と記録されている。

だが、この台風が残した最も深刻な問題は、進路予報がうまく行かなかったことである。このため、台風進路予報に基づいて東シナ海で行動していた約300隻の漁船が、危うく遭難しかかった。本稿では、台風進路予報の難しさについても述べる。