【カトマンズ時事】ネパール首都カトマンズの複数の医療施設には、土石流による犠牲者や負傷者が運び込まれ、安否不明の親族の情報を求める多くの人が足を運んだ。しかし、消息をつかめず「すべて流されてしまい、見つけるのはほぼ不可能だ」と悲観する声も聞かれた。
 20人超の遺体が安置されている病院では、カトマンズ在住のサラダ・プラジャさん(55)が娘夫婦を捜していた。入り口には痛ましい写真が掲示され、幼児の変わり果てた姿もあった。
 プラジャさんの娘(27)は警察官の夫(28)の転勤に伴い、約3カ月前から中部ラスワ郡マイルンで暮らしていた。娘は妊娠していたという。
 プラジャさんは読み書きができない。そのため当局の公表する名簿などから2人の情報を見つけるのは難しく、写真や人々の記憶に頼るしかないと話す。「災害が起きなければ、きょう(28日)娘と会う予定だったのに」と唇を震わせた。
 「まるで津波のようだった」。別の病院を訪れていた中部ヌワコット郡の元警察官ラメシュ・ダンゴルさん(56)は、目の当たりにした土石流をこう振り返った。自身や家族は間一髪逃れたものの、姉一家計9人のうち7人と連絡が取れておらず、身を案じていた。 
〔写真説明〕28日、カトマンズで、連絡の取れない娘夫婦の写真を見せるサラダ・プラジャさん
〔写真説明〕28日、カトマンズの医療施設で、土石流による負傷者や安否不明者の名簿を確認する親族ら

(ニュース提供元:時事通信社)