2026/08/30
防災・危機管理ニュース
最大震度7を観測した熊本地震では、地域ごとの揺れの性質と建物の構造によって、被害の現れ方に差が見られた。現地を調査した東京科学大の吉敷祥一教授(建築構造)は、八代市では免震施設などを揺らしやすい周期の長い地震動が強かった一方、氷川町周辺では木造住宅に被害を与えやすい揺れが目立ったと指摘する。
吉敷教授は日本免震構造協会などと7月31日以降、八代市や氷川町などで免震施設を調査。庁舎や病院、マンションのほか、木造住宅の被害状況も確認している。
気象庁によると、八代市では、周期の長いゆっくりとした揺れの大きさを示す「長周期地震動階級」で最大の4を観測した。こうした揺れは免震構造の施設や高層ビルなどを大きく揺らしやすい。市内では日本製紙八代工場の煙突が倒壊しており、吉敷教授は「こうした揺れの特徴で説明できる被害だ」と話す。
一方、木造住宅の被害が見られた氷川町周辺について、同教授は「比較的周期の短い揺れが強かった」と指摘。こうした揺れは木造住宅や中規模のビルなどに大きな被害をもたらしやすく、「キラーパルス」と呼ばれるという。今回の地震ではこのほか、地表に断層のずれが現れ、断層の真上の建物が大きく傾くなどの被害も確認されたとしている。
2016年の熊本地震後、県内では益城町役場や熊本市民病院などで免震構造が採用された。吉敷教授によると、今回の地震では、免震構造の建物は大きな揺れに見舞われたものの、業務や医療を継続できたという。八代市庁舎では免震装置の一部が損傷したが、8月に公表された中間報告では、建物は一定の強度を保ち、直ちに崩壊する恐れはないとされた。
国土交通省は被災地の建物被害を分析する有識者委員会を設置し、31日に初会合を開く。吉敷教授も委員を務め、現地調査や地震動のデータを基に、被害要因や今後の対策を検討する。
〔写真説明〕地震で倒壊した家屋=8日、熊本県氷川町
(ニュース提供元:時事通信社)

防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/08/25
-
暗黙知を形式知へ、10年の徹底改善が生きた
熊本市の工務店・新産住拓株式会社(小山英文社長)は、2016年の熊本地震や近年相次ぐ豪雨災害を通じて災害対応を磨き上げてきた。発生当日は、約3割の社員が定休日で社長も不在という条件下にもかかわらず、地震発生から50分で社員の安否確認をおおむね完了し、2時間後にはホームページや顧客専用サイトで被害受付を開始した。
2026/08/24
-
-
-
-
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2026/08/05







※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方