2018/11/06
ニュープロダクツ

ドローンのレンタルサービス「ドロサツ!!」を手掛けるDrone supply & control(ドローン サプライ アンド コントロール、東京都千代田区)は、地震や台風などの災害で被害を受けた市区町村への災害支援として、無料でドローンを貸し出す活動を1日から開始した。
同サービスはもともと、購入の場合高額なドローンを手軽に使ってもらおうとオンライン専門レンタルサービスとして2016年12月に開始したもの。購入すれば10数万円以上かかる機種を1泊2日8000円程度でレンタルできる手軽さが特長で、これまで空撮動画を撮りたい映像制作会社や、旅を記録したい個人などが利用してきた。
今年は大阪北部地震、平成30年7月豪雨など災害が重なるなかで、テレビ報道でも災害現場のドローン空撮映像が頻繁に放映されるようになり、サービスの災害利用に関心が高まっていた。被災者からも「自宅の屋根を点検したい」など問い合わせが増えるようになったが、航空法の規制で人口密集地域ではドローン飛行が原則禁止されており、許可申請が煩雑になることからサービス利用を断らざるをえない事例が続いていた。これに対し同社は「ドローンを自治体に無料貸し出しすることで災害支援用途の範囲を広げたい」と今回の取り組みを思いついたという。
対象は過去に災害被害を受けた全市区町村。想定する用途は、直近の災害などで建物倒壊の恐れがあって立ち入れないような危険な場所や、道路が寸断されて交通機関がまひし孤立してしまった場所を、ドローン空撮によって迅速に状況把握すること。その後も随時、復旧工事の進捗を把握できる。
また被災地の人口密集地域では、自治体が被災街区の状況を一括してドローン空影してデータ公開することや、自治体を窓口に災害用に個人転貸することを提案する。撮影に要する時間は「街区1000m2あたり数時間程度」が目安という。このほか災害復旧支援の目的であれば、復興段階の町おこしとしての利活用も含め、在庫の限り幅広く貸し出しにも応じる。同社のレンタル在庫のうち最大20台程度を無料貸し出しに充てる。現時点で貸出条件はないが、「今後要望が多ければ貸出台数やレンタル期間の上限を設けることも検討したい」という。
希望する自治体は、専用サイト上の問い合わせフォームから申請し、在庫があれば機体が郵送される。ドローン使用にあたり操縦免許は必要ないが、飛行の際は国土交通省に許可申請が必要。同社では未経験者向けに基本操作手順をまとめた動画を提供する。
同社は「災害目的であれば個人・自治体問わず無料貸出をしたい気持ちはあるが、個人飛行が多すぎれば災害現場の混乱を招く。ぜひ自治体を通じて利用してほしい」としている。
■ニュースリリースはこちら
http://www.dreamnews.jp/press/0000183807/
(了)
防災・危機管理関連の新製品ニュースリリースは以下のメールアドレスにお送りください。risk-t@shinkenpress.co.jp
リスク対策.com :峰田 慎二
ニュープロダクツの他の記事
おすすめ記事
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2023/01/31
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2023年1月31日配信アーカイブ】
【1月31日配信で取り上げた話題】家庭での防災行動を高めるために
2023/01/31
-
-
1000人に聞いた防災の取り組みと行政への期待
リスク対策.comは、地域住民がどの程度防災に取り組んでいるのか、また防災の観点から行政に対してどのような要望を持っているのかなどを把握する目的でインターネットによるアンケート調査を実施した。その結果、2021年5月から避難勧告が廃止され避難指示に一本化されたことについては約5割しか理解していないことや、平時から国や地方自治体の防災のホームページなどがあまり活用されていない実態が明らかになった。調査は、2022年11月21日から22日にかけてインターネット上で行い、全国の20歳以上の成人男女1000人からの回答を得た。質問は、回答の質を高めるため「この質問は一番右の回答をお選びください」という条件項目を入れ、適切な回答をしなかったものを除き、計889人を有効回答として分析した。
2023/01/30
-
社内滞在時をイメージさせる実践的な訓練と備蓄
テクニカルセラミックスを開発・生産するクアーズテックは2012年、東京都の帰宅困難者対策条例を機に一斉帰宅抑制対策に乗り出しました。独自のプログラムを追加した実効性の高い訓練や被災時の心理にも配慮したきめ細かな備蓄が評価され、2021年には東京都のモデル企業に。同社の取り組みを紹介します。
2023/01/29
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2023年1月24日配信アーカイブ】
【1月24日配信で取り上げた話題】最強寒波への備え
2023/01/24
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2023年1月17日配信アーカイブ】
【1月17日配信で取り上げた話題】防災心理を学ぶゼミ生が制作した企業の防災マニュアル/コロナ発生から3年 企業の初動対応を振り返る
2023/01/24
-
BCPと助け合える関係が機能した災害復旧活動
2019年の台風19号でグループ含め3工場が壊滅的被害を受けたカイシン工業は、経営トップが「全力復旧」の方針を発表すると各工場が即座に活動を開始。取引先や協力会社の支援を受けて設備の交換を迷いなく進めるとともに、代替生産によって早期に出荷を再開しました。同社のBCPと助け合える関係づくりを紹介します。
2023/01/19
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方