2019/04/11
葛西優香の23区防災ぶらり散歩
豊かに住み続けるための「まちづくり憲章」を制定!
まちを歩いていると…赤いバケツに加え、もう一つ、家の前に掲げられているものが…それは、高野台5丁目中央地区「まちづくり憲章」。
住民主体でまちづくりを進め、住みやすい、生活しやすい豊かな住環境を創造しようという住民の意志を内外に示し、共有することを目的として制定されました。
実は、「高野台5丁目中央地区住みよいまちづくりの会」が発足したのは、2007年。低層住宅が多い地区内にマンション建設計画が立ち上がり、反対運動として住民が動き出しました。
この運動が起こったのも、自分たちが住む町を愛する地域の思いがあったから。
始まりは、反対運動でしたが、みんなで高野台5丁目を住みよい「まち」にしていこうという思いが高まりました。そして、よりよいまちを創るためにサポートしてくれる「みどりのまちづくりセンター(https://nerimachi.jp/)」の方々とも協働しながら、憲章が出来上がったのです。

まあるカフェに小学生が集うような空間づくりを
憲章を掲げ、地域のつながりづくりを少しずつ強めるためにイベントを開催し、まちづくりの会の皆さんの活動は、一歩一歩着実に前に進んでおられます。
これからの展望は…?とお伺いすると…
「子どもは地域が育てるもの。昔、この町が一面畑で、ご近所の方と挨拶を交わしていたような田舎のような風景がこの『まあるカフェ』の空間で再現できるといいなと思っています」と松長孝治さん。
間髪入れずに…
「そんなこと考えていたの?いいこと言うじゃない!」と奥様の貴子さんのツッコミが入り、場は笑いでいっぱいに。
「憲章」「赤いバケツ」「防災講座」…いろんな取り組みに挑戦するけど、すべてはこの日常の和やかな会話がこの町を支えている…と実感した瞬間でした。
この心地よい日常にある何気ない会話の風景が住み続ける町で当たり前のように溢れていることが、何かあった時の助け合いにつながる…高野台5丁目中央地区の皆さんから改めて教えていただきました。
防災・減災対策…? 難しいこと…じゃないのかもしれない。ただただ、日常でまちに笑顔が溢れ、挨拶が行き交う風景がまずはあることが大切。その状況が対策に繋がるのかもしれないな〜。

「まあるカフェ」、気になった方は是非、訪れてみてください。初めての方も自然と優しい笑顔で出迎えてくださいます。
(了)
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