日之出町緑地(写真:写真AC)

東京都23区内の災害対策は多様です。それは、地形や過去の経験が様々だから。お住まいの地域の防災対策が「その区ならでは」のものになっていることをご存知ですか? まずは住んでいるまちのことを知り、そのまちで安心して暮らすための対策を知る。その行動次第であなたの大切な人の命が救われるとしたら…? 23区の「その区ならでは」を、ここで一挙にお伝えします! 今回は足立区です。

二度と同じことは繰り返さない

「台風19号のときと同じことは繰り返しません。今年の台風シーズンまでに体制をつくります」と力強く語るのは、足立区危機管理部災害対策課災害対策係長の下川貴行さん。台風19号の際、同区では「避難所の開設・運営」と「区からの情報発信」が課題となりました。発災後、区長・副区長と職員が各町会をつぶさに調査し、解決策を検討して、一部はすでに対応が始まっています。

「多くの課題があげられたなか、やはり避難所の運営・開設に関しては、早急に対策を練らないといけないと思いました。職員と地域の方々、学校が一体になって避難所運営を行うと決めました」。危機管理部災害対策課長の会田康之さんはそう話します。

実際に町会をまわり、話を聞いて課題を抽出し、計画に反映している

水防体制は5つの部会を結成!

足立区では台風19号を経て、次の5つの部会が設置されました。

・情報発信部会
・避難所運営部会
・垂直避難部会
・学校整備部会
・コミュニティタイムライン部会

現在それぞれの部会で、関係部署が関わりながら、具体的な対策を検討しています。「危機管理部に携わるまでは、担当の部がそれぞれ防災をやってくれると思っていました」と会田さん。当事者にならないとなかなか主体的になれないのは、区の職員の方も同じです。

逆にいえば、区役所の職員全員が意識を変えないと、防災はうまくまわりません。それに気づいた会田さんは、関係部署のみならず、区全体で防災に取り組めるようスピード感を持って計画立案を進めています。計画を立てれば立てるほど、新たな疑問が生じ、解決しないといけない項目が出てくるそうです。