日頃の訓練をいかに実践に近づけるかが防災活動の肝

東京都23区内の災害対策は多様です。それは、地形や過去の経験が様々だから。お住まいの地域の防災対策が「その区ならでは」のものになっていることをご存知ですか? まずは住んでいるまちのことを知り、そのまちで安心して暮らすための対策を知る。その行動次第であなたの大切な人の命が救われるとしたら…? 23区の「その区ならでは」を、ここで一挙にお伝えします! 今回は再度、千代田区です。企業の取り組みを紹介します。

もう少し欲しい主体性

「自宅マンションは全世帯で20戸。ちょうどいいコミュニティーだと思います。管理組合の理事会役員も2年~3年で1回はまわってきますね」と話すのは、今回お話を伺った大和情報サービス(株)大和ハウス東京ビル管理事務所所長の大出康雄さん。お住まいのマンションで理事会の理事長を務め、マンション内での防災に取り組み、勤務されている企業では防災リーダーを担われています。

「マンションで知ったことを仕事の会議で共有したり、逆に仕事で知り得たことをマンションの防災活動に取り入れたりしています。マンションの方が意外と進みが早い。これは人数もあるけれど、一人一人が『どうにかしないと』と思っているからでしょう」(大出さん)

一方、企業の防災活動はどうかというと「(防災担当は)仕事上の一つの役割なので仕方がない面もありますが、担当者が主体的に動くことが課題です。そのための環境をつくらないといけないと考えています」(大出さん)と、率直に話してくれました。