2013年にフィリピンを襲った台風ヨルダンにる被害(写真:Shutterstock.com)
「これは警鐘である。連邦緊急事態管理庁だけに依存することはできない。皆が力を合わせて改善するためにはどうすべきであるか、われわれは腰を落ち着けて考えるべきである」 

FEMA長官ブロック・ロングー2017年9月3日放映「フェイス・ザ・ネーション」
よりー

もちろんそれらはたまたまここで起きたということではない。

それがどこで起きようとも、どんな大災害の後にも、子供や家族を苦しめることになった失敗の責任を関係者の間で押し付けあうという期間がある。

超大型台風ヨランダの例がある。2013年11月7日の早朝、史上最大級の嵐がフィリピンの中心部に上陸した。超大型台風ヨランダは風速145マイルの風と20フィートの高波でタクロバン市を粉砕した。

フィリピンテレビのインタビューで、タクロバン市長は「今現在タクロバン市というのは存在しない」と言った。現場のジャーナリストはその破壊を「桁外れのもの、破滅的なもの」と表現した。

ほぼ全ての家族が誰かを失った。親戚や波でさらわれたかもしれない子供を捜して近郊から人がやって来た。避難所になっていたタクロバン市コンベンションセンターの1階全体が高潮によって浸水した。シェルターを求めてビルに入っていた人たちは急上昇する水に不意を突かれて溺死した。

その余波はさらに破滅的であった。あまりに少ない、あまりに遅い救助が到着するまでに5日、10日さらには15日もかかった。家族や子供が食料、水、医薬品を求めて泣いているのを見てわれわれは自問した。「救助はもっと速く来るべきではないのか、フィリピン政府はもっと何かをすべきではないのか、われわれはもっとうまくできるはずではないのか」と。

11月12日、テレビのインタビューで、CNNのクリスチャン・アマンポールがフィリピンのベニンゴ・アキノ三世大統領にタクロバン市民の救援にそんなにも時間がかかるのは何故なのか尋ねた。彼は答えた。

われわれの努力は自治体政府に依存している。自治体政府が初動の対応を行うというのがわれわれのシステムである。不幸にも、彼らはわれわれに打撃を与えた台風の強度に単に圧倒されたのだ……

ベニノ大統領の言葉は、政府が主導する災害対応の初期の段階で、われわれの場合も含めて、多くの国の指導者が口にすることの鏡である。米国とカナダ・オーストラリア・ニュージーランドなどの連邦制の国のシステムはフィリピンと同様だからである。連邦の官僚は自分たちの責任範囲に明確な線を引くためにスタッフォード法と地方自治法を援用する。彼らは大統領にその仕事は州と自治体政府の責任であり、自分たちは必要とされる支援を行うことには前向きであると言う。

何十年もの間、大統領たちは災害専門家からこの神話を吹き込まれて、痛ましい現実を悟るときには、手遅れということになるのだ。H・W・ブッシュ大統領がこれを認識したのはハリケーン・アンドリューの後の1992年、13年後にはその息子がハリケーン・カトリーナでそれを学び、ドナルド・トランプ大統領は2017年のハリケーン・マリアでそれを知った。

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