2017/01/11
防災・危機管理ニュース
セコム株式会社(本社:東京都渋谷区)は、12月9~11日に「日本人の不安に関する意識調査」を実施した。20代以上の男女(20-29歳、30-39歳、40-49歳、50-59歳、60歳以上/男女各50名の計500名)を対象に、インターネットによるアンケート回答方式で行った。
この調査は、高齢化や核家族化などの社会構造の変化、凶悪犯罪の増加や多様化といった世相、ゲリラ豪雨や地震など災害多発化を背景に、日本人がどのようなことに不安を抱き、対策を行っているのかを調査、2012年より経年で実施し、今回で5回目となる。
7割以上が、「最近不安を感じている」と回答し、依然高い日本人の不安意識が明らかになった。特に、男性よりも女性で、その傾向を強く見て取れる。不安を感じていることとしては、「老後の生活や年金」、「健康」を挙げる人が多い結果になった。「地震」を挙げる人が前回調査に比べて増えている。
加えて、治安の悪化や犯罪増加、災害増加を懸念する人が依然として多いこともわかった。一方で、防犯・防災対策を実施している人は昨年に比べ減少していて、約7割が具体的対策に至っていない結果となった。
調査結果は次のとおり。
最近、何かに不安を感じていることはあるかという問い【図1】に、「感じている(31.0%)」、「どちらかといえば感じている(41.6%)」と、72.6%が回答した。また、男性(70.8%)に比べると女性(74.4%)の方が、より不安を感じている人が多い傾向が見て取れた。
2位「健康(64.7%)」。「地震(53.2%)」への不安も昨年より1割増加。
最近不安を感じていることは何かという問い【図2】に対しては、1位「老後の生活や年金(72.7%)」、2位「健康(64.7%)」、3位「地震(53.2%)」だった。特に、「地震」への不安は、昨年(43.2%)より1割増加している。
治安悪化や犯罪増加を78.6%、災害増加を84.4%が懸念と回答。
今後、治安悪化や犯罪増加の可能性があると思うかという問い【図3】に、「そのように思う(16.8%)」、「どちらかといえばそのように思う(61.8%)」と、全体で78.6%が、治安悪化や犯罪増加を懸念していることがわかった。
また、今後の災害増加や被害の拡大の可能性があると思うかという問い【図4】では、「そのように思う(17.2%)」、「どちらかといえばそのように思う(67.2%)」と、全体で84.4%が、災害増加に不安を持っていることが判明した。
性年代別でみてみると、男性20代82.0%(昨年62.0%)、女性20代94.0%(昨年84.0%)、女性30代88.0%(昨年86.0%)、女性40代94.0%(昨年88.0%)で増加していて、相対的に若い世代や女性が災害増加に対して懸念が高まっていることが見て取れた。
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
-
3線モデルで浸透するリスクマネジメントコンプライアンス・ハンドブックで従業員意識も高まる【徹底解説】パーソルグループのERM
「はたらいて、笑おう。」をグループビジョンとして掲げ、総合人材サービス事業を展開するパーソルグループでは、2020年のグループ経営体制の刷新を契機にリスクマネジメント活動を強化している。ISO31000やCOSO-ERMを参考にしながら、独自にリスクマネジメントの体制を整備。現場の業務執行部門(第1線)、ITや人事など管理部門(第2線)、内部監査部門(第3線)でリスクマネジメントを推進する3線モデルを確立した。実際にリスクマネジメント活動で使っているテンプレートとともに、同社の活動を紹介する。
2024/07/23
-
インシデントの第一報を迅速共有システム化で迷い払拭
変圧器やリアクタなどの電子部品や電子化学材料を製造・販売するタムラ製作所は、インシデントの報告システム「アラームエスカレーション」を整備し、素早い情報の伝達、収集、共有に努めている。2006年、当時社長だった田村直樹氏がリードして動き出した取り組み。CSRの一環でスタートした。
2024/07/23
-
「お困りごと」の傾聴からはじまるサプライヤーBCM支援
ブレーキシステムの開発、製造を手掛けるアドヴィックスは、サプライヤーを訪ね、丁寧に話しを聞くことからはじまる「BCM寄り添い活動」を2022年度から展開している。支援するのは小規模で経営体力が限られるサプライヤー。「本当に意味のある取り組みは何か」を考えながら進めている。
2024/07/22
-
-
危機管理担当者が知っておくべきハラスメントの動向業務上の指導とパワハラの違いを知る
5月17日に厚生労働省から発表された「職場のハラスメントに関する実態調査報告書」によると、従業員がパワハラやセクハラを受けていると認識した後の勤務先の対応として、パワハラでは約53%、セクハラでは約43%が「特に何もしなかった」と回答。相談された企業の対応に疑問を投げかける結果となった。企業の危機管理担当者も知っておくべきハラスメントのポイントについて、旬報法律事務所の新村響子弁護士に聞いた。
2024/07/18
-
基本解説 Q&A 線状降水帯とは何か?集中豪雨の3分の2を占める日本特有の現象
6月21日、気象庁が今年初の線状降水帯の発生を発表した。短時間で大量の激しい雨を降らせる線状降水帯は、土砂災害発生を経て、被害を甚大化させる。気象庁では今シーズンから、半日前の発生予測のエリアを細分化し、対応を促す。線状降水帯研究の第一人者である気象庁気象研究所の加藤輝之氏に、研究の最前線を聞いた。
2024/07/17
-
-
災害リスクへの対策が後回しになっている円滑なコミュニケーション対策を
目を向けるべきOTリスクは情報セキュリティーのほかにもさまざま。故障や不具合といった往年のリスクへの対策も万全ではない。特に、災害時の素早い復旧に向けた備えなどは後回しになっているという。ガートナージャパン・リサーチ&アドバイザリ部門の山本琢磨氏に、OTの課題を聞いた。
2024/07/16
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方