2020/01/22
防災・危機管理ニュース
4つの中継器で小菅村のほぼ全域をカバーできる
山梨県小菅村、北都留森林組合(山梨県上野原市)、boonboon(山梨県小菅村)、さとゆめ(東京都千代田区)、NTT東日本(東京都新宿区)の5者は、豊富な森林資源を有する小菅村山間部にIoTを実装し、林業に関する課題解決とSmart Villageの実現に向けた協働実証実験を2月から開始する。
同実験では、林業の共通課題である「林業従事者の労働災害抑止」と「シカ等の獣害対策」に対し、山間部を効率的にカバーできる高出力の独自LPWA(Low-Power Wide-Area=低消費電力・広域)無線技術と、センサー・カメラ等のIoT技術を用いて、従事者による緊急時の救助要請を可能にする仕組みや、害獣捕獲時の通知機能を提供する。
林業従事者の労災抑止にむけた具体的な実施事項としては、双方向通信可能な子機や専用アプリの活用により、(1)SOS発信、(2)位置情報把握、(3)チャットコミュニケーションの仕組みを提供する。獣害対策では、子機に内蔵されたセンサーが罠の作動を検知した際、予め指定した宛先に捕獲通知がされ、捕獲の早期発見・駆け付けや巡回ルートの最適化が可能になる仕組みなどを構築する。これにより、より安全で生産性の高い林業経営の実現を目指す。
5者は、「労働災害抑止」や「獣害対策」のスマート化を契機に、林業業界の他の課題へのICT実装やデジタルトランスフォーメンション化の検討を進める。また、同実験で整備したLPWAのネットワークを”Smart village“の基盤とし、他の産業への活用を通じた地域の活性化や地域経済の循環を目指す。同実験は今年9月まで実施予定。
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