2025/12/28
防災・危機管理ニュース
【ロンドン時事】英国で電気自動車(EV)に対する優遇策の見直しが波紋を広げている。ロンドン中心部での「渋滞税」が来年1月にEVにも適用され、2028年には走行距離に応じた課金も始まる。財政難による「特権剥奪」が響き、業界からは「EVの維持費が増え、需要が減る」(販売店)ため、普及にブレーキがかかると懸念の声が出ている。
ロンドン市は深刻な渋滞対策として、03年から中心部に乗り入れる車に課金。08年には大気汚染の改善を目指し、排ガス基準を満たさないトラックなどから通行料を徴収し、乗用車にも対象を広げた。
政府は30年にガソリン車とディーゼル車、35年にハイブリッド車(HV)の新車販売を禁止する。ロンドン市はEVを渋滞税、排ガス規制の対象から外して普及を促進。25年3月時点のEV登録台数は同市全体の5.3%に当たる14万0166台と、排ガス規制導入時の19年から4倍超に増加した。30年には100万~140万台に膨らむ可能性があると予測している。
一方、環境車が増えたことで渋滞は解消せず、EVにはかからない燃料税の税収不足にも直面。ロンドン市が来年1月2日から新たにEVを対象とする渋滞税は、1日当たり13.5ポンド(約2830円)を課金し、ガソリン車などは15ポンドから18ポンドに引き上げる。
さらに政府は燃料税収の減少を補うため、28年からEVに1マイル(約1.6キロ)当たり3ペンス(約6円)の「走行距離税」を課す方針だ。リーブス財務相は「すべての車が道路損傷の原因になっている」と、負担の公平性に理解を求める。ニュージーランドやアイスランドは昨年、走行距離税を採用した。
ただ、EV優遇策の縮小が割安なガソリン車などへの乗り換えを促し、走行距離税導入から3年でEV販売が計44万台減るとの試算もある。英自動車工業会(SMMT)は「EV普及の新たな障壁にならないようにすべきだ」(ホーズ会長)と訴えている。
〔写真説明〕「渋滞税」の対象エリアとなるロンドン中心部に入ることを示す標識=3日
〔写真説明〕ロンドン中心部で充電中の電気自動車=1日
(ニュース提供元:時事通信社)


防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/04/07
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2026/04/05
-
-
-
ドンロー主義の顕在化に揺れる世界
アメリカとイスラエルが2月28日、イランへ大規模な軍事作戦を開始。イランは徹底抗戦する構えで、中東全体を巻き込む紛争に発展しました。早期停戦が待たれるも、長期化の可能性も依然濃厚。アメリカ政治に詳しい上智大学教授の前嶋和弘氏に、トランプ政権の思惑と今後の軍事行動に影響を与える要因を聞きました。(インタビューは3月16日)
2026/03/30
-
引き合い急増する「セキュリティソムリエ」
ソフトバンクのグループ企業でIT商社のSB C&Sは2021年から、サイバーセキュリティ市場の多様化に対応するため販売パートナーへの支援活動を展開。商社の情報力・目利き力を生かしてSIerやベンダーの提案力を補強し、その先のユーザー企業へ最適なソリューションを届けています。「セキュリティソムリエ」と銘打った活動のねらいを聞きました。
2026/03/30
-
-
-






※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方