2017/03/02
当事者防災研究会~要配慮者が自ら助かるための知恵と工夫~
3. 階段はもちろん、道路の段差や角のブロック、地震でできた道路の亀裂、路上や避難動線上の動かすことができない重さの落下物、頭上や顔に当たりそうな障害物などを避難補助者が支障物の数歩手前で視覚障害者に口頭や動作で伝え、上り坂なのか下り坂なのか、何段あるのか、段差の高さ、何が落ちているのか、何がぶら下がっているのかなど、どのように危険で、どうやって具体的に回避するかや注意することを伝えながらガイドします。
いかに事前に具体的に伝えるかが重要なポイントになります。このガイドの練習手法として、普段から視覚障害者に対して目の前で見ていることを実況的に言葉にしたり、文章にしたりする練習をします。災害時でのガイドは危険を予測&回避し、安全を優先して行います。
4. 避難中に疲れて休憩したい場合は、避難補助者が視覚障害者に椅子やベンチの位置のほか、背もたれを触れるようにガイドします。座るときに椅子やベンチが移動するようなホイール付きやパイプ椅子などであれば、視覚障害者が座る前に椅子の背もたれ側を避難補助者が保持し、椅子が動いて転倒しないように支えます。
5.もし、何らかの理由で避難補助ができなくなった、または一時的に視覚障害者から離れる場合や安全な位置に避難したため避難補助を終了する場合は、そのことをわかりやすく伝えます。
災害時に視覚障害者を避難補助者が自分の身も守りながら一緒に避難するのは、簡単なことではないと思いますが、上記のポイントを基本に1度でも練習してみると比較的簡単にできるようになると思います。
5つの災害時避難補助の基礎ができるようになったら、下記のポイントも練習してみてください。
・ さまざまなドアの開閉補助(押す、引く、引き戸の扱いなど)
・ パニック時、地下鉄などの自動改札や避難路の誘導補助
・ 普通乗用車やタクシー、バスの乗り方
・ 複合障害のある方の避難補助方法
・ 盲導犬利用者の避難補助方法
・ 両親とはぐれてしまった視覚障害児の避難補助方法
・ サイド・バイ・サイド(横並びの並列避難誘導)
・ ボックスウォーク(縦並びの縦列避難誘導)
・ 避難補助位置を入れ替わる方法
まだまだ、詳細がありますが、いずれビデオなどにして日本語で具体例を紹介することができればと思っています。
下記も参考にしてください。
■厚生労働省平成23年度障害者総合福祉推進事業
視覚障害者のための防災・避難マニュアル
http://www.bousai.go.jp/taisaku/hinanjo/h24_kentoukai/2/pdf/5_6.pdf
■災害時の視覚障害者支援者マニュアル
http://www.bousai.go.jp/taisaku/hinanjo/h24_kentoukai/2/pdf/5_4.pdf
どのやり方が正しいとか間違いではなく、想定内を増やすという意味で、いろんな方法を体験してみることで想定外が減ると思います。
視覚障害者の方々からの活発的&具体的なアドバイスやご意見をお待ちいたしております。
それでは、また。
当事者防災とは、災害時における要配慮者である、各種障がいをもつ方とその周囲の方々のための防災対策です。本連載では、世界にあるたくさんの当事者防災のヒントを具体例を挙げながらご紹介し、読者の皆さんとともに一緒になって力を合わせて「お互いの命を守り、みんなで助かる」当事者防災について考えてみたいと思います。
(了)
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