天井の工作物などが落下してくる可能性のある地下鉄コンコース内やデパ地下などでの大地震発生時、避難しようとしたら、視覚障害者の方が立ち止まって白杖を掲げている…。こんな時あなたはどうしますか?

アメリカやカナダ、オーストラリア、イギリスでは、日本でいう小学校2年生くらいの頃から市町村のイベントや人々が集まる機会を活用して、車いすの押し方や視覚障害者の誘導補助方法、また災害時の聴覚障害者に対して避難必要性について具体的に教える方法など、様々な障害者や高齢者のサポートについて学ぶ機会を作っています。

まず、下記のビデオをご覧ください。基本的な視覚障害者のガイド方法が紹介されています。


出典:RNIB/How to guide a blind or partially sighted person

このようなビデオを見る時には、日常軸ではなく、災害時を想定しながら災害軸を前提にしたマインドで見ること。

例えば映像を見ながら、ガラスやタイルなどの落下物が路上に散乱していたら、どうガイドするべきか?道路の亀裂がある場合、パニック状態の車やバイク、自転車が走っている時、エレベーターやエスカレーターが使えない状態など、状況に応じて、災害時の負荷や物理的な支障を想定&状況予測しながら見ることで、どんな映画や映像でも参考にすることができます。

下記のマニュアルは英語ですが、状況に応じて注意すべき ポイントが具体的でわかりやすいです。

■視覚障害者のガイド方法
https://www.rnib.org.uk/sites/default/files/How-to-guide-sight-problems.pdf

例えば上記マニュアルを災害避難時5つのステップとして読み替えると下記が概要になります。あくまでも参考例ですので、その時の条件や事情によって応用して使ってみてください。また視覚障害者個々によってもガイドの方法が異なる場合もありますので、事前にどの方法が適切かを尋ねてから行ってください。

1.まず、自己紹介をして避難補助が必要か否かを視覚障害者に尋ねます。この際、視覚障害者の意思を確認してから避難補助を行います。また歩き出すとき、止まる時、階段の始まりや終わり、段差などがある時には、事前にわかりやすく伝えると同時に動作のスピードを落として、ゆっくりと補助します。

出典:WikiHow/How to Walk With a Blind Person http://www.wikihow.com/Walk-With-a-Blind-Person

2.避難補助を行う際に避難補助者が視覚障害者のひじや肩、腕などを持った方がよいか?または、視覚障害者が避難補助者の体の一部を持った方がよいのか?を尋ねます。

混み合った場所や狭い場所では前後に並ぶ形になる場合、避難補助者が右側や左側に入れ替わることもあると思います。

出典:WikiHow/How to Walk With a Blind Person http://www.wikihow.com/Walk-With-a-Blind-Person