聴覚障害者全てに手話が有効というわけではありません

手話は万能ではない

災害時、さまざまな聴覚障害を持つ方々に急性期における避難誘導を行う際、どういうアプローチの仕方が有効なのかを調べてみた。

もちろん、安全ではない場所や津波などの危機が迫った状態で、細かな説明をするべきではない。ワンアクション(1つの動作)で避難を促し、ほかに同居家族やペットはいないかを確認し、避難経路の安全確認を行いながら、まずは身を守ることを行う。

災害時の関連標準手話ハンドブック(一般財団法人 全日本ろうあ連盟)に、災害時のコミュニケーションに必要と思われる手話が紹介されている。

【災害関連標準手話ハンドブック】
https://www.jfd.or.jp/info/2010/teq/saigai-handbook/saigai-handbook.pdf

■iPhone、iPad、Android版のダウンロード
https://www.jfd.or.jp/saigai/saigai-handbook

数名の知り合いの聴覚障害者の方々に上記の資料を紹介したところ、普段使わないため、知らない手話が多かったことや、聴覚障害者の全てが手話を身に付けているわけではないこと、難聴者や高齢者で耳が聞こえにくくなった方には、手話だけではなく、顔の表情や全体のアクションで危険を伝えるべきだというご指摘も受けた。

具体的な聴覚に障害がある方や耳が聞こえにくい方への避難誘導などのアプローチングの方法や伝え方についてビデオを探していたところ、下記のビデオを見つけた。

自ら聴覚障害のあるレイニア・マレット女史は、自身の日々の体験の中で、健聴者からの情報がいかに伝わることが多いかなど、覚えやすいように「CPR」というワードコンセプトを使って、分かりやすくヒアリングサポート時のコツを伝えている。


Hearing Loss CPR -Keeping the Connection Alive | Linnaea Mallette | TEDxCamarillo (出典:YouTube)

ある研究者によると、人のコミュニケーションの中で言葉自体は7%しか活用されておらず、55%はそれ以外の顔の表情、目や唇の動き、手や体の動き、それ以外は、声や雰囲気のトーンや感情表現で伝えているそうだ。

Close(近づく):ヒアリングサポートが必要な方の1〜1.5メートル前に立って、支援者の全体の表情が見えるようにする。
Content(話の内容):最初に今から話すことを伝えてから、理解に応じて話を進める。
Pause(間を取る):話のセンテンスやフレーズごとに間を置いて、読み取ったことをまとめて、イメージしていただくために時間をおく。
Repeat(繰り返す):2回以上、説明したことが伝わっていないと感じた場合は、言葉を言い換えたり、表情を置き換えたりする。
Reflaise(伝え方を変える):アプリやコミュニケーションボードなどで、文かりやすく簡単に伝える。

災害発生時、何よりも一番大切なことは、ヒアリングサポートが必要な方に支援できる人が積極的に災害情報を提供したり、協力できる体制があることを伝えること。

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