茂木氏は中国と南アのリスクについて説明した

デロイト トーマツは5月30日、「グローバルリスク記者勉強会」を開催。デロイト トーマツ企業リスク研究所主席研究員の茂木寿氏が中国における保険業界の規制強化と南アフリカ共和国でのマネーロンダリング対策強化について説明した。

中国では中国保険監督管理委員会(保監会)の指示で、保険業界への監督を強化。保険金といった資金流動性の監視や違法な活動による調達がないかなど資本管理といった10項目で管理強化を行っている。違法行為があった場合、保険会社が法的措置を取られる可能性がある。中国に進出している企業にとって保険は切っても切れない関係にあり、遅延など保険金支払いリスクに注意すべきと茂木氏は指摘した。

南アは4月にマネーロンダリング対策を強化する法案にジェイコブ・ズマ大統領が署名し、近く施行される。金融機関に顧客、特に大統領を始めとした国内外の政治家や政府幹部へのデューデリジェンスを徹底するように求めている。ズマ大統領自身の不正資金疑惑のほか、茂木氏は「通貨・ランドが強い南アには、東部を中心にアフリカの不正資金が集まりやすい環境にある」と指摘。南アには製造業や金融機関など約500社の日系企業が進出。自社の法令違反に関するチェックや顧客のデューデリ強化といった対策が必要だとした。

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リスク対策.com:斯波 祐介