2017/10/23
防災・危機管理ニュース

消防庁は20日、「消防団員の確保対策等に関する検討会」の第1回会合を開催した。消防団員の減少が進む中、団員の確保や大規模災害時の多様な役割への対応などについて議論した。年内に方向性をとりまとめる。
4月1日時点の消防団員数は前年比0.7%減の85万418人。被雇用者が73.4%を占め、近年は35~39歳より上の層の退団が目立っている。30~40代は転勤や本業の多忙といった理由も多いという。基本団員は1.0%減の83万1414人。一方で広報活動など特定の活動のみ参加する機能別団員は15.2%増の1万9004人。女性団員は4.5%増の2万4980人、学生団員は22.0%増の3970人となっている。
検討会では1.大規模災害などでの消防団の役割の多様化への対応2.多様な人材の活用3.団員の活動環境の整備―を検討事項に挙げた。災害時対応では消火・救助活動以外に避難誘導や避難所運営支援、広範囲な捜索活動といった様々な活動に対応できるよう方策を進める。多様な人材の確保では女性や学生以外に自主防災組織や企業の自衛消防組織の構成員の活用も検討する。団員の活動環境整備では代表的な退団理由やその他課題への対応を決めていく。
この日の議論では、委員から災害対応への課題や人材確保のため企業や地方自治体への協力要請、従業員が消防団に参加する企業への税制優遇などが提案された。
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/05/13
-
「まさかうちが狙われるとは」経営者の本音に向き合う
「困った人を助け、困った人を生み出さず、世界中のデータトラブルを解決します」。そんな理念のもと、あらゆるデータトラブルに対応するソリューションカンパニー。産業界のデータセキュリティーの現状をどう見ているのか、どうレベルを高めようとしているのかを聞きました。
2025/05/13
-
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/05/05
-
企業理念やビジョンと一致させ、意欲を高める人を成長させる教育「70:20:10の法則」
新入社員研修をはじめ、企業内で実施されている教育や研修は全社員向けや担当者向けなど多岐にわたる。企業内の人材育成の支援や階層別研修などを行う三菱UFJリサーチ&コンサルティングの有馬祥子氏が指摘するのは企業理念やビジョンと一致させる重要性だ。マネジメント能力の獲得や具体的なスキル習得、新たな社会ニーズ変化への適応がメインの社内教育で、その必要性はなかなかイメージできない。なぜ、教育や研修において企業理念やビジョンが重要なのか、有馬氏に聞いた。
2025/05/02
-
-
備蓄燃料のシェアリングサービスを本格化
飲料水や食料は備蓄が進み、災害時に比較的早く支援の手が入るようになりました。しかし電気はどうでしょうか。特に中堅・中小企業はコストや場所の制約から、非常用電源・燃料の備蓄が難しい状況にあります。防災・BCPトータル支援のレジリエンスラボは2025年度、非常用発電機の燃料を企業間で補い合う備蓄シェアリングサービスを本格化します。
2025/04/27
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方