Jアラートが鳴った後、アトラクションを止め屋内施設への避難を行った

内閣官房、消防庁、東京都、東京都文京区は22日、弾道ミサイルを想定した住民避難訓練を文京区の東京ドーム周辺で開催。約350人が参加した。東京都心で地方自治体も巻き込んだ大規模なミサイル対応訓練は初めて。ミサイル発射のJアラートを受け、周辺の地下鉄駅である東京メトロ後楽園駅と都営地下鉄・春日駅や、ドーム隣接の遊園地の屋内施設などへの避難を行った。

訓練には株式会社東京ドーム、東京メトロ、都営地下鉄も協力。東京ドーム隣の遊園地「東京ドームシティ アトラクションズ」ではアトラクションも稼働している状態でミサイル発射の第1報が場内で放送され、避難を開始。園内の屋内施設に逃げ込んだ。その後にミサイルが通過したという第2報が流され、訓練は終了した。

内閣官房はミサイル発射のJアラートが鳴った場合、屋外にいれば地下もしくは建物の中に避難するよう、「国民保護ポータルサイト」などを通じて呼びかけている。大都市の都心部でミサイルを想定した訓練は、2017年12月の福岡市以来2例目。

訓練後、内閣官房の末永洋之・内閣参事官は報道陣に対し、「実際に地下鉄や頑丈な建物を使え、有意義だった。都市住民にもどういう行動を取るべきか具体的なイメージを持ってもらう意味でよかった」と説明。Jアラートが鳴った際にとるべき行動の周知については「ホームページや政府広報のほか、今日のような訓練を行うとマスコミにも取り上げられる。訓練を積み重ねることが周知につながる」と述べた。都の中島敬子・総務局総合防災部情報統括担当課長は「都にとって初の訓練だが、東京は通勤者も多い。住民や企業も交え訓練が行えたのは有意義だったと思う。Jアラートが鳴ってすぐ動くことが難しいこともわかった」と評価した。都ではミサイル発射時の対応について今後も国などと協力を行う方針。

(了)

リスク対策.com:斯波 祐介