2022/08/07
防災格差社会
リスク対策.comは、会社に勤務する従業員が家庭でどの程度防災に取り組んでいるかを把握する目的で、インターネットによるアンケート調査を実施。その結果、世帯収入によって備蓄や転倒防止などの備えとともに、地域防災活動への取り組みにも大きな差があることが分かった。前回に続き、結果を解説する。
自宅が被災する可能性の認識
築年数が古い、浸水地域にあるほど高い
アンケートでは、地震や風水害により、自宅が被災する可能性をどの程度感じているかを聞いた。その結果、地震によって、自宅が被災する可能性については「絶対に被災することがない」「おそらく被災することがない」との回答が合わせて25.8%となった。
これに対して「被災する可能性はある」は約半数の48.6%を占め「被災する可能性は高い」を合わせると5割を超え、多くが地震に対して被災する可能性を認識していることが明らかになった【グラフ1】。
一方、風水害によって自宅が被災する可能性については「絶対に被災することがない」「おそらく被災することがない」との回答が42.2%で地震を大きく上回った。逆に「被災する可能性はある」「被災する可能性は高い」を足した割合は36.6%にとどまる【グラフ2】。
この結果をもとに、自宅が被災する可能性がある、ない、の認識の違いが何から生じているのかを分かりやすく示すため「被災する可能性がある」「被災する可能性はない」の2カテゴリーに再分類し、地震については自宅の築年数と、風水害については、自宅が浸水危険地域にあるかどうか(不明な場合は国土交通省ハザードマップポータルにて確認)の各設問とクロス分析を試みた。
結果は、築年数が10 年以上の古い家に住んでいる人ほど被災する可能性があると考え、浸水の危険地域に自宅があるという人ほど、風水害で被災する可能性があると考えている傾向が明らかになった【グラフ3】【グラフ4】。
ところが、自宅が被災するかどうかとの認識は、水・食料の備蓄や、防災用トイレの備えとは、ほとんど相関がないことが分かった【グラフ5】。つまり、自宅が被災すると感じていても、その結果が防災活動に結びついていない。
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