2015/07/10
C+Bousai vol3
鼎談| 地域の課題を「情報」で解決
筒井:情報システムを教育や訓練、作成支援にまでもっていくことによって、標準化が図れるでしょうし、逆に独自色も出しやすくなるかもしれないですね。情報システムという共有の母体があってこそ、できるということですね。
田中:最初から標準化しようと考えては駄目ですね。今は、多様な地区の皆さんが自分の地区に応じたものを考え、作るべきです。それをインターネット上で持ち寄り、自由に発信していく。
森下:私は、特区として指定してやっていくということが大事だと思います。さまざまなツールがあるので、地域に合った形、重点の置き方、どの機能が地域にとっていいかなどを選び、後はシステムとして組み上げることが大切です。
筒井:おっしゃる通りです。ひとつ付け足したいのは、「地区防災計画」を作ってから維持していく、マネジメントが最も難しいと思うんです。意識をずっと継続していくために何かアドバイスをお願いします。
森下:これからは、NPO活動がたくさん増えてくると思います。地域の中に元気なお年寄りで、社会に役立ちたいという人がいっぱいいるわけです。私は、情報社会を推進していく上でも、やはり地域の自治会活動がこれから非常に重要になると思います。住民が選んだ自治会長が、自治体とのパイプ役になり、防災リーダーにもなる。市町村も、自治会の会長さんが非常に重要です。
他方、市町村はスリム化していかないといけない。少子高齢で人手がないわけですから。そうすると、住民に色々なことをやってもらわざるを得ない自治体もあります。そういう意味では、住民がやるべきことが増えてくるので、それを自治体がどう支援するか、情報ツールも要りますね。
田中:今は色々な社会的システムがありますが、バラバラです。宅配のシステム、寝たきりの老人の方の情報など、それぞれ目的に応じた情報システムですが、それらと地区防災で必要とされる業務を連携させ、組み込んでもらわなければなりません。これを特区でやらないと、いつまで経っても進まないのです。
筒井:特区に適当な場所はありますか?
田中:それは、強い危機感を持っている地域です。南海トラフ巨大地震、南関東首都直下地震の地域。自治体が問題意識をもって力を入れている、大学研究所も参画して研究をしている、企業の人々がBCP(事業継続計画)の視点で取り組んでいる所ですね。
今までは、縦方向の防災システム、情報連携の仕組みでした。今後は、横方向の情報連携と防災を作り込まなくてはいけません。これは多分、立体型になります。つまり地区単位がたくさんでき、多様な主体が2次元でなく3次元で連携しなくてはいけない。それにより強固にもなります。今、日本の防災システムの作り方は変わろうとしているし、変えなくてはいけない。変えるために特区を作りながらモデルを作り、さまざまなシステムを連携させ参画させる。情報ICTとして見ると、そこが誰でもいつでも使える日本としての情報ソフトウエアの格納庫になると思うのです。
筒井:なるほど。「地区防災計画」と情報の関係性はやはり深く、特区を作ることで、日本は新しい防災の時代に進んでいくと思います。また、それを国際的に発展させ発信する流れにしていくことも重要ですね。今日は、どうもありがとうございました。
C+Bousai vol3の他の記事
おすすめ記事
-
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/06/23
-
W杯に水を差したDAZN契約プラン表示が原因で大炎上
世界最大のスポーツイベントであるサッカーのW杯が6月12日に開幕。日本は1勝1分けで決勝トーナメント進出を大きく引き寄せている。その裏でW杯の視聴契約を巡ってSNSで大炎上していたのが、スポーツコンテンツの配信会社であるDAZNだ。W杯の全試合を視聴できる年間契約プラン表記に問題があり、13日にお詫びを発表した。しかしその対応も反感を買い、炎上は継続。最終的には年間プラン自体を取り下げた。DAZNの何が問題だったのか、消費者問題に詳しい住田 浩史弁護士に聞いた。
2026/06/23
-
-
-
-
企業の副業解禁とコンプライアンス対策を支援
企業の副業解禁の流れが加速している。従業員は本業以外の労働を増やすことで、収入増が見込める。従業員が副業で獲得したスキルで、本業への貢献も期待できる。企業側にとっても、副業は採用活動に活用できる。業務発注から関係を深めてからの転職や採用後のミスマッチを防止する効果がある。一方で、副業の一般化に伴い、同業他社での競業や情報漏えい、ブランド毀損、過重労働など、副業リスクは増加している。フクスケ(東京都千代田区)は、企業の副業制度の運用支援に加え、副業コンプライアンス向上に関するデータを分析し、リスク診断サービスも提供している。代表取締役社長の小林大介さんに、企業の副業解禁がもたらす影響について話を聞いた。
2026/06/12
-
-








※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方