2024/09/07
防災・危機管理ニュース
電気自動車(EV)の主要部品である蓄電池の生産を拡大する官民の取り組みが本格化した。経済産業省は6日、トヨタ自動車やSUBARU(スバル)が新たに建設する電池工場などに最大で3479億円を補助すると発表。トヨタなど大手4社と電池関連企業の投資額は総額1兆円に上る。蓄電池を国内で供給できる体制を整え、米中勢が先行するEV分野で巻き返しを狙う。
今回の支援により、蓄電池の国内生産能力は年約120ギガワット時と従来の約1.5倍に拡大する。政府は2030年までに150ギガワット時まで強化する方針で、さらなる支援も検討する。
トヨタは2450億円を投じて福岡県に工場を建設し、兵庫県内の子会社の設備も増強する。蓄電池の生産能力を年9ギガワット時増やし、26年11月から順次供給を始める。日産自動車も福岡県内の生産施設に1533億円を投資。レアメタル(希少金属)を使わないためコスト削減が見込めるLFP電池を28年7月から生産する。
スバルはパナソニックホールディングス(HD)と共同で投資し、群馬県内に工場を新設する。投資額は4630億円、生産能力の増強分は16ギガワット時と4社の中で最も多い。マツダもパナHDと833億円を投じ、大阪府と山口県内の生産能力を計6.5ギガワット時高める計画だ。
EVは近年需要が鈍化しているほか、低価格で攻勢を掛ける比亜迪(BYD)などの中国勢が台頭し、収益性が低下している。これを受けてドイツ自動車大手フォルクスワーゲンが独国内の生産体制縮小を検討するなど、各社が戦略を見直す動きも出ている。競争環境が厳しさを増す中、蓄電池の巨額投資を回収するには、日本メーカーが魅力あるEVを開発できるかも問われそうだ。
(ニュース提供元:時事通信社)
- keyword
- 蓄電池生産
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
阪神・淡路大震災30年 いま問われるもの
日本社会に大きな衝撃を与えた阪神・淡路大震災から30年。あらゆる分野が反省を強いられ、安全を目指してさまざまな改善が行われてきました。しかし、日本社会にはいま再び災害脆弱性が突き付けられています。この30年で何が変わったのか、残された課題は何か。神戸大学名誉教授・兵庫県立大学名誉教授の室﨑益輝氏に聞きました。
2025/02/06
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/02/05
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/02/04
-
-
-
-
-
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方