連載・コラム
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第80回:企業活動にかかわる様々なリスクを経営層や監査役がどのように認識しているのか
米国に本拠地を置く内部監査人協会(The Institute of Internal Auditors:IIA)(注1)は、2019年10月に調査報告書『OnRisk 2020: A Guide to Understanding, Aligning, and Optimizing Risk』を公開した。これは2019年6月に、北米地域の企業の取締役、役員、および監査役を対象として実施された調査の結果をまとめたもので、次の11種類のリスクに対する、調査対象の方々の理解度合いや認識状況が分析されている。
2019/10/29
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第78回:BCM関係者は「破壊的テクノロジー」とどのように付き合っていくのか
読者の皆様は「破壊的イノベーション」(disruptive innovation)という言葉を聞いたことはおありだろうか? これは1995年にハーバード・ビジネス・レビューに掲載された論文で最初に用いられた言葉で、新たなテクノロジーによって既存の秩序を破壊し、ビジネスや業界の構造を劇的に変化させるようなイノベーションを指す。「破壊的テクノロジー」(disruptive technology)もこれとほぼ同時に生まれた造語で、既存のテクノロジーに完全に取って代わって破壊的イノベーションをもたらすようなテクノロジーの総称である(注1)。 BCMの専門家や実務者による非営利団体であるBCI(注2)が2019年9月に発表
2019/10/08
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次なる本当に大きな地震が起きた後、われわれは何を語っているだろうか?
ピュリツァー賞を獲得した記事「真の大災害」の中で、ニューヨーカー誌の記者であるキャサリン・シュルツ氏は北米大陸史上最悪の自然災害について述べている。科学者によると、1700年1月26日、太平洋岸北西部での大地震がカナダのバンクーバー島から南へ約900キロ、カリフォルニアの北部にかけての地殻を切り裂き、破滅的な被害をもたらした。地質学上の記録によれば、マグニチュード8以上のこのような“大地震”は、太平洋岸の北西部では500年に一度の割合で発生している。“真の大災害”でシュルツ氏はこの事実が何を示唆するかを述べている。次なる真の大災害は14万平方マイルの地域に被害を及ぼし、ワシントン州のシアトル、タコマ、オレゴン州のポートランド、ユージン、セーレムといった人口の集積地に壊滅的な打撃を与える。700万人がパラレルな宇宙に投げ込まれる。そのうち1万3000人が死亡し、2万7000人が負傷する。100万人分の避難所、250万人分の水と食料が必要となるであろう。
2019/09/06
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巨額損害を被った実例から学ぶ教訓
第2回では、M&A前に買収対象企業に発生していたサイバー攻撃による個人情報の盗取が買収後に発覚し、大きな損害につながった米ホテル大手マリオット・インターナショナルの事例を解説しました。その中で、買収前のリスクや価値の調査活動であるデュー・ディリジェンス(以下、DD)の一環として、サイバーセキュリティーおよび情報保護に関するDDを行うことが、損害の防止と軽減につながるとご紹介しました。実際にそのような商慣行が主に欧米では浸透してきていますが、日系企業が海外の買収対象企業に対してそこまでの広範囲かつ詳細なDDを実施するケースは多くありません。同様に、欧米企業によるM&Aでは広く一般的に行われている「リスクマネジメントと保険プログラム」に関するDDについても、日系企業は実施していないケースが未だに多いようです。今回は、M&Aに関連したサイバーセキュリティー事故をいくつか追加でご紹介した上で、M&Aに伴うサイバーセキュリティーリスクの管理において、何が重要かを解説していきます。
2019/08/29
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