連載・コラム
-
-
-
-
第84回: 世界の経営者が2020年に懸念しているリスクは何か
今回紹介させていただく調査報告書「Executive Perspectives on Top Risks 2020」は、世界各国の企業における経営層の方々1000人以上を対象として行ったアンケート調査の結果から、2020年に向けてどのようなリスクが懸念されているかを探ったものである。アンケート調査はノースカロライナ州立大学のプール経営学部(Poole College of Management)に設置されている研究機関であるERM Initiativeと、コンサルティングファームのProtivitiとの共同で2019年秋に行われ、調査報告書は2019年12月に公開されている。
2019/12/24
-
第83回:地政学的リスクの現状と企業における対策状況
これまで本連載でご紹介してきた調査報告書の中には、様々な種類のリスクの高さを各国・地域ごとに比較して示したものがいくつかあった。例えば第71回でご紹介した『FM Global Resilience Index』(注1)では、自然災害リスクやサイバーセキュリティ、汚職対策の状況、社会インフラの整備状況などを含む12の観点からリスクを評価した結果を各国ごとに表示するようになっているが、これらの様々なリスクのうち、各国の政治や経済、治安の状況などに関連するリスクを総称して「地政学的リスク」(geopolitical risk)という。
2019/12/17
-
-
-
-
-
第81回:11年間にわたって続けられているBCIのサプライチェーン・レジリエンス調査
これまで本連載では、BCMの専門家や実務者による非営利団体であるBCI(注1)によるサプライチェーン・レジリエンス調査の報告書を度々紹介してきたが(注2)、今年も例年通り、11月5〜6日にロンドンで開催された「BCI World Conference and Exhibition 2019」の1日目に今年の調査結果のお披露目があり、出席者に報告書が配布された(現在は後述の通りBCIのWebサイトからダウンロードできるようになっている)。そこで今回はそのBCI Supply Chain Resilience Reportの2019年版を紹介する。
2019/11/19
-
-
-
-
第80回:企業活動にかかわる様々なリスクを経営層や監査役がどのように認識しているのか
米国に本拠地を置く内部監査人協会(The Institute of Internal Auditors:IIA)(注1)は、2019年10月に調査報告書『OnRisk 2020: A Guide to Understanding, Aligning, and Optimizing Risk』を公開した。これは2019年6月に、北米地域の企業の取締役、役員、および監査役を対象として実施された調査の結果をまとめたもので、次の11種類のリスクに対する、調査対象の方々の理解度合いや認識状況が分析されている。
2019/10/29
-
-
-
第78回:BCM関係者は「破壊的テクノロジー」とどのように付き合っていくのか
読者の皆様は「破壊的イノベーション」(disruptive innovation)という言葉を聞いたことはおありだろうか? これは1995年にハーバード・ビジネス・レビューに掲載された論文で最初に用いられた言葉で、新たなテクノロジーによって既存の秩序を破壊し、ビジネスや業界の構造を劇的に変化させるようなイノベーションを指す。「破壊的テクノロジー」(disruptive technology)もこれとほぼ同時に生まれた造語で、既存のテクノロジーに完全に取って代わって破壊的イノベーションをもたらすようなテクノロジーの総称である(注1)。 BCMの専門家や実務者による非営利団体であるBCI(注2)が2019年9月に発表
2019/10/08
-
-
-
-
-
-
-
次なる本当に大きな地震が起きた後、われわれは何を語っているだろうか?
ピュリツァー賞を獲得した記事「真の大災害」の中で、ニューヨーカー誌の記者であるキャサリン・シュルツ氏は北米大陸史上最悪の自然災害について述べている。科学者によると、1700年1月26日、太平洋岸北西部での大地震がカナダのバンクーバー島から南へ約900キロ、カリフォルニアの北部にかけての地殻を切り裂き、破滅的な被害をもたらした。地質学上の記録によれば、マグニチュード8以上のこのような“大地震”は、太平洋岸の北西部では500年に一度の割合で発生している。“真の大災害”でシュルツ氏はこの事実が何を示唆するかを述べている。次なる真の大災害は14万平方マイルの地域に被害を及ぼし、ワシントン州のシアトル、タコマ、オレゴン州のポートランド、ユージン、セーレムといった人口の集積地に壊滅的な打撃を与える。700万人がパラレルな宇宙に投げ込まれる。そのうち1万3000人が死亡し、2万7000人が負傷する。100万人分の避難所、250万人分の水と食料が必要となるであろう。
2019/09/06
-