(写真:Shutterstock.com)

25年前の8月の暑い夜、アンドリューが南フロリダに大打撃を与えたとき以降の数十年間に大きな変化があったと主張する人が多い。そこでオバマ大統領と彼が任命したFEMA長官であるクレイグ・フゲイトのことである。フゲイトが言ったように、「FEMAは国の緊急事態管理チームではなく、FEMAはチームの一員にすぎない」というなら、そのチームとは何をしているのだろうか? ニューヨーク・タイムズ流に言うならば「教訓は得られたのだろうか?」。われわれは過去の災害において世界が目にした欠陥を修正したのだろうか?

答えはイエスでありノーである。

そう、それはどの災害のことを言っているのかによる。FEMAはホームルーム災害に関してはずいぶんと良くなったが、マリア級災害に対する備えということではほとんど進歩がなかった。マリア級災害はまったく異なるアプローチを必要とする異なる種類の災害である。ハリケーン・マリアへの対応に失敗したことは、FEMAがフロリダ州とは違ってハリケーン・アンドリューからの教訓を学んでいなかったということである。

早くも次なるマリア級災害への対応において、これらの教訓は依然として、再度明らかとなるであろう。それは大多数の知事が、災害が自分たちでは対応できないほど大きなものであれば、国の災害システムによる支援があるだろうと信じ続けているからである。

彼らが信じているのは、大統領の大災害宣言を申請すれば、FEMAの支援が得られることになり、FEMAは騎兵隊を連れて来てくれるだろうということである。

ここに問題がある。FEMA以外のすべての人がそれを信じていることである。

騎兵隊というとき具体的には何を意味しているのか?

一つのヒントとしてFEMAの”大災害宣言“の定義をもう少し念入りに見てみよう。“大災害宣言は、緊急時および永続的な業務のための資金を含む、個人および公共のインフラのための連邦の支援プログラムを提供するものである”。
               ―スタッフォード災害救助緊急事態支援法

あなたにとって騎兵隊のように聞こえるだろうか?

毎年100件以上、知事による大統領への災害救助の支援要請がある。そして72時間ごとに援助は来る。しかし問題はそれである。それは山を巡って、白馬にまたがり、旗をなびかせ、騎士を従えてやって来るのではない。国の災害対応のかわりにFEMAは自分で来るだけである。FEMAの騎兵隊はポロシャツ姿で小切手帳を手にした太鼓腹の集まりである。錆びついた歯科用器の入ったカバンを引きずる仕事を与えられた新顔が後ろについている。

これらの歯科用器具が、大統領がその宣言の中で言っている“個別の家計・事業主体と公共のインフラのための連邦の支援プログラム“である。詳細は後述する。

公平に言えば、FEMAは大量のボトルウオーターと包装食品を移動させる能力は持っている。さらに他の連邦機関への任務の割り当てによって、その他の資源を送り込むこともできる。例えば米国陸軍工兵隊からの緊急用自家発電機、水ポンプ、保健社会福祉省からの一時野外病院、医療チームなどである。

しかし大災害の後では、FEMAがもたらす援助はあまりに小さく、あまりに遅い。フロリダ州統合ロジスティクスの最高責任者であり、災害ロジスティクスのレジェンドであるチャック・ヘイガン氏はかつて私に言ったことがある。「われわれは自分たちの責任でやる。それは分かっている。われわれにとってFEMAはもう一つのベンダー(売主)でしかない」と。

システムの神話

アメリカ合衆国には大災害直後に迅速かつ大規模な対応を展開する全国災害システムがあるという世間一般に受け入れられた考え方がある。しかし多くのそうした考え方と同様にそれは神話であることが明らかになった。

そうではなく、われわれは50余の州の災害システムが、50余の異なる構造、能力、方法を持ったまま束ねられるという危険な未来に直面している。

それぞれの州は自州の災害には責任を持つが他州の災害には責任がない。そして他州に支援を求めるという段になると、自分でやるしかない。問題は、各州は互いの関係が政治の風によって変わる帝国の中の帝国であることだ。災害時に近隣の州を支援するために州境を超えて手を差し伸べる州もないではないが、そのプロセスはその場しのぎの、迅速ではないものだった。そのため次なるマリア級の災害に際しては、過去の全ての災害のように、自らの全国災害システムを稼働させるのは州の責任となるだろう。

FEMAはそれこそがFEMAの最も重要な役割であると喧伝されることをやったことがない。知事たちを招集することである。FEMAは50余州が全国チームに団結するためのプロセスを先導するよりも各州と個別に協働することを好んだ。さらに悪いことには、FEMAは州がやるべきことの多くを引き受けてしまい、FEMAが自らやらなければならない唯一のことを州に託してしまう。

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