最終回:サイバー攻撃対応演習の実施
評価レポートによる振り返りも

中島 豊
1998年にアライドテレシスに入社。ネットワークスイッチの開発経験を経て、マーケティング部門に異動。VoIP、データセンターネットワーク機器企画を行った後、企業向けSDNの新企画(Secure Enterpise SDN)を立ち上げ、現在のサイバーセキュリティ戦略室で邁進中。
2019/10/28
企業よ、サイバーリスクに備えよ
中島 豊
1998年にアライドテレシスに入社。ネットワークスイッチの開発経験を経て、マーケティング部門に異動。VoIP、データセンターネットワーク機器企画を行った後、企業向けSDNの新企画(Secure Enterpise SDN)を立ち上げ、現在のサイバーセキュリティ戦略室で邁進中。
前回は現実的な演習を行うための準備と、そのシナリオ作成の仕方についてご紹介しました。今回は実際の演習実施とその評価についてです。
■実際に情報インシデントが起きた想定演習(前回)
https://www.risktaisaku.com/articles/-/20312
まず実際の演習実施時間は、演習内容によって異なりますが、一般企業の部署に対する演習であれば約1日かけて、2~3つのシナリオを実施するケースが多いです。1つのシナリオにつき2~3時間程度を要し、シナリオ実施後の演習当日中に簡単なレビューを行い、後日演習結果の詳細報告を行います。
演習はファシリテーターと受講者に分かれて、演習シナリオが実施されます。
まずファシリテーターがインシデント要因となる事象を受講者に知らせます。受講者はそのインシデントの兆しに対する調査などを“インシデント対応マニュアル”に沿ってチーム内で意思決定し、アクションを決め、関連部署および外部団体などへの指示を行います。これが演習の基本動作になります。
受講者以外(関連部署、団体など)の仮想的な対応はファシリテーターが行い、結果を受講者に通達します。それを繰り返し、サイバー攻撃被害を最小化するための受講者行動の訓練を演習で行います。
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