2025/03/01
防災・危機管理ニュース
【ニューヨーク時事】米電気自動車(EV)大手テスラの株価が、昨年12月中旬に付けた史上最高値から2カ月半で4割安と急落している。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)とトランプ米大統領の関係の近さが好材料視されて一時急騰したが、既に値上がり分が帳消しに。むしろ米欧でマスク氏への嫌悪からテスラ車販売が急減しているとみられ、株価を押し下げている。
2月28日は前日終値比4%高の292.98ドルで引けた。昨年11月の大統領選投開票日明けに290ドル近辺だった株価は、12月中旬に一時490ドル近くまで上昇。これ以降は下落基調で、特に今年2月は売りに拍車が掛かった。
「マスクのクーデターを止めろ」。米各地では最近、マスク氏がトランプ氏の威を借りて政府の人員や予算削減で大なたを振るっていることへの抗議デモが相次ぐ。テスラ車を手放し、株も売るよう呼び掛けており、西部ワシントン州シアトルで活動を主催した女性は米メディアに「テスラのブランドが傷つけばマスクの影響力は弱まる」と狙いを語った。
テスラ車所有者の間では、「これはイーロンが狂っていると気付く前に買いました」などと書かれたステッカーを貼る動きも。テスラはもともと気候変動問題などへの関心が高いリベラル層に人気だったため、マスク氏のトランプ氏への接近はユーザーを困惑させた。
販売不振は数字に表れ始めた。報道によると、テスラの1月の米販売台数は前年同月比13%減の約4万2000台。EV市場全体は15%増と伸びており、テスラの不調が際立つ。また、欧州全体の同月のEV販売は37%増えたが、テスラ車は45%減の約9900台に落ち込んだ。
〔写真説明〕米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)=2月20日、メリーランド州オクソンヒル(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

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