2025/03/05
定例セミナーダイジェスト
具体事例から学ぶ企業の人権教育
ESGリスク勉強会 2月25日
Drop代表取締役
米田真介氏
異常を異常と感じる共通認識を組織に醸成
ESGリスク勉強会は2月25日、オンラインで開催した。サステナビリティーに関するコンサルティング事業や教育・研修事業を行うDrop の代表取締役・米田真介氏が、近年重要性が高まっている企業の人権対応について解説。人権対応が求められる背景、人権教育の現状、課題などを語った。
米田氏は人権対応が求められる背景について、グローバル化の進展で企業の経済規模が大幅に拡大してきたことを説明。一国のGDP に匹敵する時価総額を持つ企業も現れ「ビジネスが社会に与える影響がプラス・マイナス両面で大きくなっている」とし、マイナスの影響として途上国における児童労働、強制労働などの人権侵害が多数起きていると述べた。
国境をまたいた経済活動による負の影響は従来の枠組みでは対応できないとし、国連は2011年に「ビジネスと人権に関する指導原則」を採択。米田氏はこれを「国家にあるとされていた人権尊重の責任が企業にもあることを明言した画期的な国際文書」とし、企業の責任として①方針によるコミットメント②人権デュー・デリジェンス(DD)③負の影響による救済措置の3つの活動が求められると解説した。
そのうえで、この3つの活動に通底する取り組みが人権教育だといい「やらないといけないわけではないが、やらないでいると大きな問題に発展するおそれある」と指摘。一つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背後には300の異常(潜在的課題)が存在するというハインリッヒの法則を引用し「重大な人権侵害を防ぐには300の潜在的課題に普段から対応しないといけない」と話した。
米田氏は、さまざまな人が働く環境において、誰もが人権を侵害される可能性があり、誰もが人権を侵害する可能性があると発言。ゆえに「人権侵害を生み出す潜在的課題に日頃からアンテナを立てないと、気づいたときには取り返しがつかない事態になっている可能性がある」といい「異常を異常として感じる共通認識を組織内に醸成していくこと。そこに人権教育の目的がある」と述べた。
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