2026/08/04
防災・危機管理ニュース
歴史的な円安阻止に向け、日本政府は米国から、協調介入という異例の援護を取り付けた。輸入コスト増を通じた物価高に苦しむ日本と、自国経済への波及を危惧する米側の思惑が一致した格好だ。ただ、円安基調の抜本的な転換には至らないとの見方は強い。日銀の早期利上げを求め、米側の圧力が高まる可能性も指摘されている。
「日米通貨同盟の完成形だ」。財務省の三村淳財務官は3日朝、記者団に語った。協調介入はこれまで金融危機や大震災などの有事に際して行われることが多く、連携の意義を強調してみせた。
第2次トランプ政権誕生後、日米双方は為替対応への協力体制を時間をかけて構築してきた。昨年9月に加藤勝信財務相(当時)とベセント米財務長官が、過度な変動に対する為替介入を容認する共同声明を公表。翌10月に就任した片山さつき財務相も、声明に基づく協議を重ねた。
実際の対応も段階的に引き上げられ、今年1月に米当局が金融機関に相場水準を照会する「レートチェック」を実施。大型連休中には政府・日銀が円買い・ドル売り介入に踏み切った。今回の協調介入はその集大成とも言え、トランプ大統領は「友情の証しだ」と表明した。
支援の背景には、これ以上の円安を許せば、インフレ懸念から日本の長期金利がさらに上昇、米長期金利にも波及して自国経済に打撃を与えかねないといった警戒感がある。
ただ、足元の円安には、中東危機に伴うインフレ懸念や日米金利差、高市政権の拡張的な財政政策への不安といった要因が複雑に絡まる。「円安トレンド転換のハードルは高い」(大手証券)との見方が一般的だ。
市場には、米側が次の一手として、日銀に早期利上げを迫るとの見方が出ている。ベセント氏は、日銀がインフレ対応で「後手に回っている」と発言したほか、利上げに慎重な高市政権を念頭に、日銀の「政策余地」の重要性を強調してきた経緯がある。
三村氏は3日、「日銀の金融政策としっかり連動しながら対応していく」と述べた。財政政策の修正や防衛費増額を米側から求められるとの観測もあり、異例の連携は余波を広げそうだ。
〔写真説明〕日銀本店=東京都中央区(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/09/15
-
-
-
-
防災は面白くないと広がらない
地震が起きたとき、スマートフォンに通知された情報を頼りに避難を判断することが多いだろう。緊急地震速報の情報から、いまどのように動くべきかを判断できる、そんな身近な危機管理を習慣づけた1 社が、アールシーソリューション(東京都新宿区)だ。2010 年に提供開始したスマートフォンアプリ「ゆれくるコール」は、緊急地震速報を受信できるアプリとして多くのユーザーが利用している。代表取締役の栗山章さんは、数多くのユーザーに防災の重要性を広めてきた一方で、ビジネスとして成り立たせる難しさにも直面してきたという。これまでのサービス開発の経緯や、防災ビジネスへの価値観を聞いた。
2026/09/09
-
被災施設への再入場判断「戻ってはいけない」では解決しない避難後の問題
大地震が発生し、安全な場所へ避難して一息つくと、人々には「ひとまず危険のピークは過ぎた」という根拠なき安心感が芽生える。そして、さまざまな理由で「避難してきた場所に戻りたい」といった気持ちが生じる。しかし、被害がどの程度なら戻ってよいのかについての明確なルールや事例は、どこを探してもあまり見当たらない。 国には応急危険度判定という仕組みや、施設管理者が建物を緊急点検するための指針などもある。が、これらは避難直後の「戻りたいニーズ」に応える仕組みではない。ここに、避難直後の「再入場」という古くて新しい問題がある
2026/09/09
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2026/09/07
-
-
-
暗黙知を形式知へ、10年の徹底改善が生きた
熊本市の工務店・新産住拓株式会社(小山英文社長)は、2016年の熊本地震や近年相次ぐ豪雨災害を通じて災害対応を磨き上げてきた。発生当日は、約3割の社員が定休日で社長も不在という条件下にもかかわらず、地震発生から50分で社員の安否確認をおおむね完了し、2時間後にはホームページや顧客専用サイトで被害受付を開始した。
2026/08/24





※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方