2025/03/17
防災・危機管理ニュース
【エルサレム時事】イエメンの親イラン武装組織フーシ派は16日、SNSへの投稿で「ミサイルとドローンで米空母『ハリー・S・トルーマン』を標的に攻撃を実施した」と主張した。米軍が15日から16日にかけ、イエメンの首都サヌアなどに空爆を行ったことに対する報復としている。ただ、ロイター通信によると、米高官は米軍の戦闘機がフーシ派のドローン11機を撃墜し、トルーマンに接近させなかったと述べた。
中東の衛星テレビ局アルジャジーラによれば、空爆で少なくとも53人が死亡した。ロイターは「トランプ米大統領が1月に就任して以来、米軍が中東で行った最大の作戦」と伝えた。フーシ派指導者アブデルマリク・フーシ氏は米軍による空爆後に声明を発表し、イスラエルと米国批判を展開。「米軍艦を標的とする」と述べていた。
トルーマンは紅海に展開していたとされる。ロイターによると、フーシ派が撃ったとみられるミサイルは海に落ちたことが確認され、米高官は「脅威と見なされなかった」と語った。フーシ派は17日、トルーマンに対する2回目の攻撃を試みたと表明した。
フーシ派は、パレスチナ自治区ガザでイスラエルと衝突するイスラム組織ハマスに連帯を表明している。今年1月にガザでの停戦が発効すると、それまで実施してきた紅海での商船襲撃を停止。しかし今月、イスラエルがガザへの人道支援物資搬入を停止したため、攻撃再開を宣言した。
トランプ氏は空爆に際し、フーシ派の商船襲撃を批判し、「われわれの目的達成まで、圧倒的な殺傷力を用いる」と警告していた。
〔写真説明〕米空母「ハリー・S・トルーマン」=2024年11月、ジブラルタル海峡(米海軍提供)(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

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