2025/03/28
防災・危機管理ニュース
小林製薬は28日、豊田賀一執行役員の社長昇格と、外部から招聘(しょうへい)した大田嘉仁氏の会長就任を決めた。紅麹(べにこうじ)配合サプリメントの健康被害問題発覚から1年を機に、経営トップの刷新で企業統治改革を加速させる。しかし、同日の株主総会では会社側の提案が創業家の反対により否決され、「脱創業家依存」に早くも暗雲が垂れ込める船出となった。
「スタート地点としてはつらい」。豊田氏は同日の記者会見でこう心境を語った。小林製薬はこれまで会長と社長が務めると定めてきた取締役会議長を、原則として社外取締役が担う定款変更を株主総会に諮った。ところが、小林章浩元社長ら創業家株主が「会社の混乱期」などを理由に反対し、3分の2以上の賛同が得られなかった。
豊田氏は、被害者への補償や再発防止策の実行には「大きな影響はない」と強調。今後も創業家とは是々非々の関係を貫き、今回否決された定款変更も「来年、再度の提案を目指す」構えだ。それでも、同社株の3割程度を保有する創業家の影響力を改めて見せつけられたことで、企業風土改革の実効性に対する懸念は高まりそうだ。
小林製薬株の10%超を保有し、「創業家依存」を問題視してきた香港系投資ファンドのオアシス・マネジメントは総会終了後、「驚きと失望を感じている」との声明を出した。(了)
(ニュース提供:時事通信 2025/03/28-19:07)
(ニュース提供元:時事通信社)
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